紙ペーパー師匠のぺらっぺらジョグ日誌

ホイミンとマラソンするおっさんの日記

しまなみ海道 西条〜向島ウルトラマラニック【前編】

計画

Reiさんから「萩リベンジだ!しまなみ海道だ!」と提案を受け、企画したマラニックです。

真夏にしまなみ海道はヒートデス確実なので(ヒートデスの意味違う…)夜中に走らねば…

しまなみ海道までの移動時間と走行時間…など勘案して思いついたのが

「深夜スタートして完徹ラン。そのまま夜明けのしまなみ海道に入り、午前中にほぼ決着をつける」という案。

再来年あたり、制限時間24時間超なレースにも出たい私はナイトランや徹夜ラン練習がしたかったので利害一致です。

徹夜ランに備え、私は1週間前からカフェイン抜きも開始。ビワイチ(200キロ超走)をやったランナーがカフェイン抜きをして、当日のカフェインの効き目を上げていたのでマネしてみました。

しまなみ海道のサイクリングコース自体は約70キロ。プラス33キロを作るため愛媛は伊予小松駅からスタートし、尾道駅(あとから近くのスーパー銭湯に変更)をフィニッシュ地点にした103キロコースを構想。

 

コース作りは、たいてい

キョリ測でざっくり距離決め

Google先生に「徒歩可能最短ルート」を聞く

キョリ測で「徒歩可能走りやすそうルート」に

ストリートビューで確認

キョリ測で微調整

・コンビニ・トイレ書き込み

の順で作るんですが、しまなみ海道はサイクリングロードなので、ストリートビューがないんですね。

しかも、

「歩行者自転車道

「原付道」

「高速の車道」(以上しまなみ海道

「普通の車道」

「歩行者のみ通れる階段など」

「サイクリングロード以外の道(農道)」

が混在していて、地図上では計画が立てにくい…。「青い線を辿れば良い」とのことなんですが、これがGoogle先生最短ルートとずいぶん違っていて、悩みました。

そのため、行き当たりばったり上等の突撃コースにすることにしてしまいました。キョリ測で見る限り、かなりフラットで走りやすそう。萩往還と比べてずいぶん快適に見えました。

そして、帰りは尾道駅から電車なので着替えたいんですが、着替えを持って走りたくないのでヤマト運輸尾道商店街センターに着替えとラン後補給食を事前に発送。受け取り可能時間の18時がタイムリミットになりました。

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スタートは伊予小松駅。ここから尾道駅までがピッタリ100kmなんです。岡山を夕方出て、終電で小松に着く電車を調べました。するとスタートは22時半に。平均キロ9分で走り、15時間半かけて14時が到着予定時刻。プラス4時間の余裕あり。ウルトラなので予測は難しいですが、無理のない計画に思えました。この時は…

 

装備

天気予報が雨から変わらず、夜間ランなので保温を考えました。Reiさんからは萩往還と環境を比較して準備するように指示が。

私は真夏装備ですが、お腹に貼るカイロ。雨なのでほぼ全身ワセリン。レインジャケットも念のため。メガネはバンドで後ろに留めます。シューズはサロマ湖の反省を踏まえテンポネクストでアーチ保護のクッションを最優先に。帽子にはクリップヘッデン。夜行タスキにザックで車からの視認性を確保。ユレニクイに最低限のカード&現金を持ち軽量化。補給はコンビニ購入で済ませます。

Reiさんは、真夏トレイル装備(濡れに強い)にミニカイロ、asicsポンチョ。100円レインコートを脱ぎ着して走る保温体制。お腹を守る装備に振ってます。ザックにフラスク、エマージェンシーキット。海峡部での風に備えサングラスで目を保護。ホカ・クリフトン7はウルトラ請負シューズですね。そして、買ったばかりのGarmin 245。

これらが007ばりに活躍することになろうとは。

 

出発当日

豪雨による警報が続き、計画の中止もギリギリまで検討しました。しまなみ海道が閉鎖されたら当然中止ですが、児島坂出ルートが閉鎖の場合、尾道スタートも検討。またJRが止まれば中止です。

その中でネットと睨めっこし、夕方、ラン範囲には洪水災害警戒の区域がほとんどなく、決行を決定。アップ代わりに備前西市駅までジョグです。

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岡山駅Reiさんと合流。特急しおかぜで伊予小松へ。車内できっちりローディングしました。テンションあげあげ!他にパンも食べて備えます。

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途中で切符拝見タイム。Suicaはどうするんだろうと思ったら、伊予小松ではSuica使えないと思うと車掌。たぶん伊予西条なら使えるから西条で降りて相談して、と。そんなご無体な

現金をあまり使いたくないタイミングなので、素直に従い、伊予西条へ。

伊予西条駅で降りると、なんと「Suica使えません」と。なにそれ…。JR職員ならそれくらい知っておけよ!怒!

(ちなみに高松〜多度津間は使えるらしい)

慌ててカード払いし、乗車証明をもらい、Suica乗車取り消しの場所やら手順を聞いてるうちに、終電はすでに…。

スタート地点は伊予西条駅に。距離にして伊予小松より9キロ東。慌ててルート変更です。ショートカットを調べ、106キロに抑えることに。四国のコンビニではSuica使えるのにね…。交通系ICAカードってJRが開発したんじゃなかったの?怒

気を取り直して、しまなみ海道マラニック、スタート。22時くらいでした。

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スタート〜10キロ…西条から小松へ

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(↑今回は地図をランキーパーから持ってきました。向きを変えられるのと、タイム表記可能なこと、そして距離がGarminに近いのが特徴。EPSONGarminより短く出ます。特に精度を落とすとテキメン短く。またランキーパーは時計の動かし忘れを補正してくれてるような気もします。)

西条は大きな街なので、道も歩道もそれなりに広く、街灯もあって快適です。ヘッデンもいりません。雨は小雨でランに影響なし。穏やかにスタートできました。

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下調べの足りない西条市内は、基本的にスマホ持ったまま地図と睨めっこラン。最初のセブンに寄りドリンクやジェルを持ちます。こまめな補給を欠かさない戦略。なお、西条駅のセブンは閉まってました。

県道13号を西に進みます。道が暗くなりヘッデン必須に。伊予小松より先は右側に歩道がある箇所が多いので、先んじて右側に行けばと思って走ると…歩道が消えました。仕方なく地下道に降りて左側にうつって大きな橋を越えたり、土手っぽいところに登って降りてを繰り返したり。市内中心部から外れると、下調べがない上に真っ暗なのでまさに手探りで進む道を見つけていく状態に。ヘッデンの取り付け位置も頭だと雨粒反射で見えにくく、胸や腰だとブレが大きいという難点が。そのため、かなり水溜りにハマりました。序盤からシューズズブ濡れになり、足をふやかしてしまいます。あとあと響くダメージは、実はここからでした。ペースは走りやすいとキロ6くらい。水溜りを避けていると7〜8分に落ちていました。

 

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(約5キロ、新中山川大橋)

大小3つの橋を越え、小松付近へ。坂はゆっくりと。この辺りで、路側帯走行区間あり。深夜に差し掛かり、車もほとんどないんですが、通りかかる車やトラックは爆走なので気を遣います。水溜りを避けるため車道に大きくはみ出すこともあり、左右に跳びながらのランはかなり体力、筋力を使いました。

雨は大降りと小雨を繰り返す状態。10キロ手前でローソンに立ち寄り、補食と給水です。日付が変わる前、ツナマヨおにぎりで晩ご飯。チョコも買います。チョコ補給は今回試したいエネルギー源でした。

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(約10キロ。東予港、日本製鉄などを遠くに見る)

 

10〜20キロ…峠越え、今治湯の浦へ

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ここからしばらく闇の中を西へ走ります。ペースは変わらず。岡山で言うと、原尾島から平島方向へ走る雰囲気でしょうか。

港入り口がやや街になっており、田舎のヤン○ーがバイクでイキって駆け抜けていきます。

そこを過ぎるとまたしばらく暗い道です。

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(15キロ付近)

雨はやはり強弱を繰り返していました。しかし、寒くなく暑くなく、ちょうどいい体感温度。ランの熱を雨が冷ましつつ、冷え過ぎることもないバランス。真夏のランは真夜中のシャワーランに限る?!そんな気持ちのいいランニング区間でした。

そして、橋の上で潮騒を聴きます。海です。

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ちなみに今回のブログ写真はiPhoneのナイトモードで撮っているので実際は下のように真っ暗です。1人では怖くて走れません…👻

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海の香りと波の音。しまなみ海道を否が応でも意識させられ、テンションアップ。そこから、登りに。今治に入る峠越えです。

登りは、とにかくペースダウンか歩きに。雨でスリップもありうるので脚筋力を使わないよう気をつけます。平均ペースは順調な区間でデータ上では7分ほどでした。(時計の省エネのためオートストップ無効で走ったので、時計止め忘れによって表示ペースは遅くなっています。そのため実際にはこの辺りはキロ6分台だったと思います。)

斜度7%の0.5キロ坂が峠最大の難関。計4キロほどで峠を越えると、いよいよ今治市です。

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時計は0:50。眠気がすでに何回かきています。峠をくだってすこし進めば道の駅「今治湯ノ浦温泉」。だいたい20k地点。トイレ休憩して再スタートです。この時点でGarminEPSONに1キロほどの誤差。むむむ。このGarminEPSONの邂逅はいろいろなドラマを生んでくれるんです。

 

20〜30キロ 今治市街地〜今治城

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今治市内に入り、徐々に中心部に向かう区間です。午前1時を過ぎ、すっかり深夜ラン。雨は降ったり止んだりに。道も広くなり走りやすくなっていきます。

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(約23k、伊予桜井駅ちかく)

何度かパトカーとすれ違います。オールナイトしてるランナーさんから「深夜ランは職質受ける」と聞いていたんですが、なぜかどのパトカーからも無視されました…。きっと、しっかり夜行タスキ&ヘッデンで走っていると不審者には見えないんでしょう。59番札所、金光山国分寺などが道沿いなので、もしかしたらお遍路ランナー?に見えたのかもしれませんね。

静まり返った住宅地を進みます。雨は小康状態。定期的にコンビニに寄り、トイレ&補給。西条〜今治はコンビニが充実していて、とても走りやすかったですね。

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(約27k、喜多村公園)

午前2:50を過ぎ、サブエガスタートの恐ろしさを実感。これは早朝じゃない。120%深夜です。

少し周囲が開けたところに出ます。今治城です。地図上で見かけていてせっかくなのでコース沿いに設定していました。のんびり写真撮る余裕がこの時はあったんですね。

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30〜40キロ しまなみ海道

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今治城を過ぎると中心部。きっと昼間は賑わっている場所なのでしょう。大通りは広々としていて気持ちのいいランです。新聞配達のバイクとすれ違います。そんな時刻です。

そしてまた住宅地へ。32kあたりで「しまなみ海道」の標識登場です。嬉しいですね!

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そして、


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ここからずっと追いかけることになる標識。サイクリングロード沿いにこれが整備されていて
、たどっていけば尾道まで迷わずに到達できるんです。

さらに住宅地を進むと公園のような雰囲気になり、徐々に道は傾斜していって、しまなみ海道へ続く通りに。

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今思えば相当な急登と階段の連続だったんですが、私の大好物である立体構造にテンションはレッドゾーンに振り切れて駆け上ります。

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いざ、しまなみ海道

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写真の通りしまなみ海道では、島と島とを繋ぐ橋の部分に歩行者自転車専用道が車道と並走する形で整備されており、安全に渡ることができます。道幅はほぼ広く取られており、自転車に追い抜かされる時も危険はほとんど感じません。

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晴れていれば朝焼けと日の出を堪能してできたはずの来島海峡大橋。しかし、Reiさんの言うように靄に霞む瀬戸の島々の幻想的な風景はこんな日でないと楽しめません。潮風に吹かれつつ、海の上のランニングが始まります。

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来島海峡大橋は三連吊り橋。

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これ、ご存知の方もいらっしゃるでしょう、あのバリィさんの王冠です。

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閑話休題。橋の上からは瀬戸内海の風景を満喫できます。雨もほぼ降っておらず、キロ6程度で走れました。途中、馬島でトイレ休憩。

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ガラス張りのエレベーターで島に降ります。原付も乗れるのでぜひお立ち寄りを。

 

40〜50キロ「村上」の聖地?大島上陸

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来島海峡大橋の上でフルマラソン突破。時計の止め忘れやGarmin -EPSONギャップで正確な地点がわかりませんが、この辺りでフルを超えました。ウルトラも繰り返しているとフルの距離は通過点にしか感じなくなるから不思議ですね。

橋を渡り終えると、高速道路と離れて島に降りるランプへ。このランプウェーが今回のマラニックにおける最大のハードルになりました。

急登であると同時に距離が長いんです。自転車が安全に走れるように十分な旋回半径が確保されており、大回りして登り降りすることになります。距離と斜度の看板もあり、1キロ以上続くところも。

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舗装道路を下るので足にダメージが大きいことも計算する必要がありますね。下り切ると道の駅「よしうみいきいき館」です。この時はまだ看板を撮影する余裕もありました。サイクリストの聖地として売り出しているんですね、しまなみって。

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そして「村上」だらけなのもポイント。小さくて見にくいですが、村上鐵工所。ほかにも村上歯科や村上酒店など村上姓のつく看板がたくさんありました。さすが村上水軍ゆかりの地。

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 島に降り立った感動のまま、道の駅を通過し次の坂を上ったところで、Reiさんがやっぱり道の駅に寄っていこうということで坂を下って補給など。元気いいな…。ジョージアboostを飲んで目を覚まします。

早朝になり、お散歩中の方を見かけるようになりました。まだ5時台なのに結構たくさんのお年寄りが。元気いいな…。島のおじいちゃんたちの会話はまったく聞き取れませんでした。

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再度、坂を登って峠越え。島とはいえ、ガッツリ山が立ち塞がりました。フルを超えて眠気も強くなります。コンビニに立ち寄り、カフェイン系補給。お茶、エナドリ、コーヒー、チョコパン、チョコ。全てカフェインの入っている食品!ビシッと決めて島を駆け抜けます。しかし、登りは歩くことが増えてきます。足には痛みが出始めます。濡らしたまま、水溜りを跳んだり、舗装道路の急な下りを走ったので、足裏にきました…。そのため、徐々にペースダウン。どうにか50kmを迎えますが、折り返しはまだ先。そう、全長106kなので折り返しは53k…。

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(約50kにあったマンホール)

 

後編に続く…