紙ペーパー師匠のぺらっぺらジョグ日誌

ホイミンとマラソンするおっさんの日記

第75回富士登山競走〜五合目コース参戦記〜レース編

さて、続いてレース編

ついにきた富士登山競走、当日です。

レース設定

目標を「2時間切り」としました。

サブ2:20目標でしたら、キロ9分平均で2:15。

しかし2時間切りとなるとキロ8を切る必要があります。

試走の感覚から、

  • スタート〜中の茶屋をキロ5.5
  • 中の茶屋〜馬返しをキロ6.5

→ロード平均キロ6

  • トレイルをキロ13

→全体でキロ8

と、取らぬ狸の皮算用…。

トレイルはペースを計ることをしてこなかったので計算できず、これはやってみるしかありません。

 

当日の朝、マラソンルーティン

4時起床。力うどんと米粉パン、ミネラルジェルで補給。アクエリでウォーターローディング。軽い動的ストレッチと気になるアキレス腱などを軽くストレッチ。

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尾籠な話ですがトイレはとにかく念入りに…軽量化軽量化。そして、ギアチェック。

 

ギア

シューズは、NB HANZO-S

軽量、フィット感、グリップの三拍子揃った,このコースにピッタリの一足。普段、全く使わないNBですが、登りonlyの富士山専用として準備。なお、スポーツオーソリティのセール品でした…

ソックス、UNIQLOのボーダーフィンガーソックス。ロングの五本指です。五本指派なんですが、トレイルだと足の保護のためにロングにしてます。スポーツ用はショートしかないので、ロングはグリップが不十分。シューズを選びますね。

バッグはユレニクイpro。ザックは重さと放熱に難あり。ボトル持つためにユレニクイ選択。ボトルはポカリにマグオンのピングレを混ぜてます。ツーランも溶かしておけばよかった…。他には塩サプリ、メダリスト(コーヒー)、iPhone12 mini、小銭も。

下着はエアリズム、パンツはサポーターつきNIKE、シャツはUNIQLOベースのいきもの君チームTシャツ。

モンベルの手袋、ワークマンのネックゲーターも持ちます。キャップなしです。

時計はいつものエプソンのみ。

全体的に軽量トレランスタイルですね。

 

会場へ

五合目コーススタートは9時。荷物預りスタートが7時とのことなのでのんびり出たらいいんですが、マラソンサニーさん出没情報や山頂コーススタートを見たいこともあって早めに出ます。6時チェックアウト。車で臨時駐車場へ。

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まだ駐車場はスカスカでした。眼前には富士山。あの中腹あたりまで駆け上がるんですね。胸熱。

前日受付しておいたのでウォークスルー検温を通れば赤バンド=検査済み証明完了。シャトルバスに乗り込むと数分で出発。動線も完璧で完全ノーストレス。

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富士吉田市役所は山頂コース参加者でごった返していました。この雰囲気、やっぱりいい!


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有名人やら仮装ランナーやらにワクワクしつつ、山頂コースランナーの装備品をチェック。

やはり、荷物はやや多め。サポートチームがいない人は防寒着は事実上必携ですね。低体温で大変なことになるランナーもいるとか。ジェルやドリンクも多いでしょう。マイヘルメットの人もいましたね。シューズは軽量タイプもいればアルファフライなどの厚底も。馬返しまでに全力なのかな…。

五合目コースの荷物預りは7時スタートとのことでしたが、スタッフの方が駆け寄ってきて預かってくださいました。なんて気が利く運営スタッフ。

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そして、サニーさん発見!ウマ娘マチカネフクキタルだそうです…わかんないよ笑

馬耳のために重そうなヘルメットをスタートから被ってます。さすが…。

そして、整列が進むと、セレモニーです。

魂を揺さぶられるスピーチ

開会式の挨拶の類は、私は基本聴いてません。拍手が起きたらとりあえず拍手するくらい。覚えてるのはおかやまマラソンの大森市長「飲みすぎてませんかー?」程度、です。

そんな私でも、きっちり聴いてしまったスピーチ。選手宣誓をされる芹沢さんの挨拶です。

覚えている限り、まとめます。

掴み。優勝10回、そして準優勝など戦績を立て並べて笑いをとりました。ゆかいな人です。連続出場39回。コロナで足踏みして、今年、ついに40回だそうです。還暦とのことですから18歳からずっと走ってきたということ。

そして、開催への感謝。富士吉田市もあらゆるイベントが中止になり、なぜ富士登山競走だけやれるんだと賛否がある、と。そのなかで開催を決断し実行してくれた市長はじめ大会スタッフへの感謝と拍手を求めました。もちろん、大きな拍手が。参加者としても開催への感謝を伝える場がほしかったでしょうから、共感と二重の感謝が湧き上がった気がします。

続いて、厳しいことも言いたい、と。芹沢さんご自身も年齢や怪我もあって走力が落ち、4:30の制限時間との戦いになっている、と。その中で、ペースダウンした選手が後続の追い抜きを邪魔する場面がある。1秒邪魔したら後方で1分ロスになるかもしれない。ペースダウンしたら右手を上げて、後続を先に行かせよう。そうすれば、グループ全体のペースがあがり、引っ張ってもらえばその選手も楽になる。そうしてみんなで関門を突破しよう。山頂に行こう、と。この提案には話している途中から次々と拍手が起きていました。

マナーのことも触れていました。ヘルメットでの安全確保、唾を吐くことへの意見など。ユーモアを交えながら。

そして、年齢と体力、膝の怪我、40回連続出場と還暦の節目。今日で富士登山競走を引退します、と。競走は引退するが、富士登山はやめない。富士登山競走はみなさんの手で盛り上げ、続けていってほしい、と託されました。

もちろん、割れんばかりの拍手でした。

選手宣誓では力強い言葉。儀式的な挨拶ではなく、心からの宣誓をされていました。

お恥ずかしいことに私は芹沢さんをまったく知りませんでした。富士登山競走のヒーローといえば鏑木さんや五郎谷選手。何も知らずにここに来たことを恥ずかしく思います。

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しかも、芹沢さんなのに芦沢さんと読み違いしていたのも懺悔しておきます。

大会レポやツイートでも芹沢選手のスピーチについては感動したとの声がたくさん上がっていましたね。

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芹沢選手のスピーチで一層高まる熱気の中、山頂コース、スタートしていきました。

 

いざ、五合目コースの部スタートへ

山頂スタートから五合目スタートまで2時間あります。まずは…軽量化。失敬。でも、とても重要。トイレはこのタイミングだとガラガラですね。

そして、日陰でストレッチをゆっくりじっくり。日陰に入らないと消耗するくらいの日差しなんです。徐々に集まってくる五合目選手たちも同様でした。

交通規制がかかると、公道上でアップが可能に。各々、ジョグや動き作りが始まります。私は動的ストレッチから始め、足首の柔軟、ハムのストレッチ、ヒラメ筋、腓腹筋を念入りに。股関節、肩甲骨周りも。トレラン対策のストレッチから丁寧にしておきました。公道では動き作り。日陰を探して、股関節メインで実施。ジョグも2キロ程度したでしょうか。

アナウンスがあり、計測は全てネットタイムとのこと。そうなると、無理に前列に並ぶ必要はありません。私は最後尾ブロック。ならばいっそ最後尾からスタートしてしまえと割り切ります。ただ「馬返し」=トレイル入り口から先は狭く追い越しが難しい。なので、そこまでに可能な限り前に出る必要はあります。そうしないと速い流れに乗れない。それでも、最後尾から落ち着いてスタートする方を選択。整列せずにギリギリまで日陰で動き作りをします。

そのうちに選手の整列が進み、セレモニーが始まりました。市長挨拶だったかで「富士吉田市は避暑地なんですが、今年はこんなに暑くてすみません…」「全国各地、46都道府県から参加を賜り…佐賀県だけ参加者がいません。みなさんのお知り合いに佐賀県の方がいたらぜひお声がけを」そんなユーモア溢れる挨拶で和み、リラックスできました。

そして、ついに私も整列。名物エイエイオーをエアで行い、気合を入れます。天気予報では27度。あるYouTubeの動画ではこの日、スタート時で30度を超えていたとか。とにかく暑い。日差しもきつい午前9時、ついに号砲。

ほぼ最後尾から五合目、2時間切りを目指します。

 

〜浅間(せんげん)神社まで

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スタートして左折するとすぐに登りに。有名な金鳥居のある坂を走っていきます。ここはまだウォームアップですね。それでも坂なので息は上がる。斜度は4%。キロ5分を切っていたので慌てて5.5くらいに落とします。というのも、久々の沿道からの熱い応援を浴びたから。マラソン人間にとってこれほどの好物はありません。テンションダダ上がりでした。落ち着くように言い聞かせ走ります。フォームチェックを行いつつも沿道からの声援に応えます。気持ちがいいですね。炎天下の平日にもかかわらず沿道に来てくださった皆さんありがとうございます。

そうこうするうちに、左に折れます。右手に見えてくるのが3キロ地点、浅間神社です。ここまで平均キロ5.5。順調。

最初のエイドがありますが、まだまだ不要と判断してスルー。本当は取りたいんですが、コップ給水は時間かかるし不衛生。ここは一気に前へ。

浅間神社〜中の茶屋

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普段なら車もそこそこ通るであろう道。つまり舗装のしっかりした道を登っていきます。ペースダウンしているランナーを次々と抜いていく気持ちの良い区間。発汗と呼吸は追い込み時のキツさですが、レースですから耐えられます。

試走で距離感覚があるため焦らずにリズム良く刻み、広い交差点へ。ここで、撮影している応援の方を発見。YouTuber?後で知るマリーンズ&ランのマリランさんでした。応援ありがとうございます。申し訳ないですが私はプロ野球なら日ハムです笑

閑話休題。道は徐々に山へ。舗装は古くなり狭くなります。それにつれさらに呼吸はキツくなってきますが、時折沿道から声援が。その中に軽快な音楽が聴こえてきます。キツい時は音楽応援ありがたいですね。そして、見えてきた人影に見覚えが。

「…あ、あいちゃん?…あいちゃーん!」思わず声かけてました。埼玉のはるな愛という名前で活動しているラン友さんです。ランナーズにも出たことあるちょっとした有名市民ランナーさん。柴又100k以来の再会でした。私をガチのマラソンに導いてくれた方。

通過してから「げんきでるわー」と声に出すと、周りのランナーさんからも「私も元気もらっちゃいました」「うれしいですねー」と声が。そのうちのお一人はいろいろお話をしてくださったんですが、

私「そ、そう、なんです…さいたま、からきて、くださった、みたいで…」とゼーハーなのに対して

「遠くから応援って、嬉しいですよねー」

と、余裕でお話しされるんです。この坂をこのペースなのに……。

!この人に引っ張ってもらおう。

その流れのまま、コバンザメ作戦に。この方、Tシャツからトライアスリートらしく、心拍能力すごそう。すぐに引き離されかけますが、置いていかれないように徹底して追跡します。

そして、見えてきたのは中の茶屋エイド。垂れ流しになっているタンクからの水を手で受けて、足を冷やします。ノンストップで抜けて、トライアスリートさんに先行!と思いきや、あちらもノンストップで抜けていて、まだ前方に。坂はいよいよ急になっていきます。

 

中の茶屋〜馬返し

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中の茶屋エイドを過ぎると道は狭く舗装も古くなり、やや走りにくくなってきます。コース取りも少し工夫が必要に。坂もさらに斜度を増し、序盤つっこんだランナーの中には歩き出す人もチラホラ。特に今日は暑さが堪えます。

応援かスタッフか、「ここで410番くらい!」との声を聞きます。数えてるの? すごすぎですね。馬返しまでに半分より前にいたかったので、順調です。

ゼーハーが速くなり、過呼吸にならないよう深呼吸。これはずっと気をつかいました。また、疲れてくるとフォームが怪しくなるので膝の軌道と足親指の向きには要注意。腰高キープにも留意してコバンザメ継続。キツい時、引っ張ってもらえるのはホントにありがたい。道はさらに狭くなります追い越しが難しくなります。ムリな追い抜きより体力温存。ポカリを一口二口取ります。走りながら飲む練習が活きますね。

金山走の最高斜度に近い斜度、つまり10%近くになり、ランとウォークのペースが均衡するくらいまでになります。歩いた方が速くなるくらいの坂ということですね。馬返しまで歩かないぞ、というのも立派なんですが体力温存とスピードを考えるとウォークもありです。

前方を見上げるくらいになってしばらくすると、ついに馬返し。その昔、参拝客がここで馬を返却したポイントです。ほぼロードの力を出し切る勢いで来たのでもう汗だく。エイドで配布のペットボトルの水を取ることに。富士山の冷水で体を冷やし山に備える作戦。

ペットボトルをつかむや否や、エイヤッと背中にぶちまけます。

「ひゃぁあ…ぁ?」…ぬるい。冷水じゃなかった笑

これじゃ単に濡れただけ。笑いを堪えつつトレイルに入ります。ここまで1時間5分。平均キロ6。予定通りです。

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馬返し〜三合目

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トレイルに入るとみなペースダウン。フラットで走れるところ以外はほぼ歩きになります。ゼーハーで来たので、助かった…。

前のランナーが走れば走る、歩けば追随。これが基本の流れに。

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トレイルとしては登りやすいですね。土砂対策の丸太が湿ってヌルついてますが、HANZOのおかげでスリップしないし、枝や藪に苦しめられることもない。これはさすがによく整備されたトレイルです。なので、とにかく前についていくことに集中します。

しばらく登り、一合目くらいでしょうか、少し慣れて呼吸,心拍も落ち着いたところで前方に目をやり、道の左右に人が分かれた時にサッとダッシュして抜く、を繰り返します。少しでも前へ。このパターンができて、トレイルでも順位を上げていきます。順位はさほどこだわっていませんが、前の人ほどペースが速いわけで、タイムをあげるため乗るなら前の方、なんです。

二合目ですでに大山を超える標高に。息が切れる苦しいトレイルが続きますが、ついにコバンザメさせてもらっていたトライアスリートの方を抜きます。やっててよかったトレイル練習。

晴れていたはずの富士山も気づけば雲の中。気温は下がりますが、体にこもった熱は中々逃げてくれません。発汗量はかなり多く、それを自覚できるほど。楽になる区間があるかなと思っていましたが、ぜんぜん来ません。気圧は下がり、酸素も薄くなっているんでしょうか。前日ほどの頭の重さは感じませんでしたが、深呼吸を交えて、呼吸のリズムを作ります。休みたくても休めない。苦しい。そんな中で見えてきた三合目エイド。ポカリをグイッと飲み、そこに給水します。5秒ほど休憩。満タンペットボトルにして再スタートです。

三合目エイド〜五合目フィニッシュ

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三合目エイドの看板に残り2kmとありますが、公式マップでも残り2.3km。試走での感覚的にも2.5km以上はあるなと思っていたのでぬか喜びは避けられました。この辺りで時計を見ると10:28。あと30分でフィニッシュすれば2時間切り。達成が見えてきて俄然やる気が湧いてきました。

しかし、エイドをほぼスルーして、補給もしないスレスレギリギリ戦略がついに限界にきます。急登で前を抜いた瞬間、両足が一気に攣りました。前腿です。今までない攣り方でした。慌てて爪先を上げ、接地のたびにストレッチをかける登り方にします。この辺は失敗の経験がいきますね。ただ失敗なのは肝心要のツーランを持ってなかったこと。残り30分では無意味かもしれませんが…。

フラットなところですかさずマグオン入りポカリを飲みます。治れ、足!

このあたりでスタッフに「給水ないですよね?」と尋ねる方が。そう、距離は短いですが通過にかかる時間は長く苦しいゾーン。三合目〜五合目は補給に要注意。フラスクなどを持つか、三合目エイドでしっかり給水しておかないとしんどいです。

4.5合の小屋〜岩場ゾーンでさらに攣り、痛みで一歩ごとに声が出ます。あ"〜!

それでもショートカットやダッシュで前へ!何が何でも2時間は切りたいんじゃ!

時計のアベレージペースが7:50を超え、2時間タイムリミット接近を知らせます。キロ8でアウト。応援の人が「あと600m!」。ラストのややこしいトレイル&ロードゾーンへ。

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上の図はラストの道順です。緑がトレイル、青がロード。

トレイルからロードに出て大きく左カーブ、

再度トレイルに入って少し走り、ロードをクロスしてすぐトレイル。ここからすぐロードに出て3メートルくらいで佐藤小屋フィニッシュゲート。試走される方は、ご注意を。

最後は前のランナーを抜こうとダッシュするも一歩及ばすフィニッシュ!

時計は10:57台。もらった…。

 

フィニッシュ〜

振り返って、必ずやりたい完走儀式、コースに一礼をして、ありがとうございました!あ"〜‼︎‼︎……足が完全に攣りました。その場でフリーズ。顔面ブルースクリーン

救護班の方に支えられてフィニッシュゾーンを抜けます。大変ご迷惑をおかけしました。

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その後、無事にコバンザメさせてもらったトライアスリートさんに再会しお礼を言えました。

そして、ボランティアの皆さんから水をもらい、梅干しをもらい、電解質補給…のつもり。1キロばかし歩いてバス乗り場のある五合目タウンへ。途中、ドロップバッグを受け取り、プロテインやらアミノ酸やら摂りつつアクエリ補給。

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なお、男子は更衣室がありません。路上?でお着替えタイムのみなさん。

前日に応援してくださった方にお礼を言いたかったんですが見つけられず。そのまま帰りのバスに乗ります。富士山五合目からの景色を堪能する気分のいいバス小旅行。

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フィニッシュ後のエキスポ会場、道の駅富士吉田に着き、吉田のうどんランチ。うん、爽快!

選手には500円クーポンがあるので、それで食事したり、ビール飲んだり、お土産買ったり。イベント感たっぷりで幸せな時間でした。

そこから再度シャトルバスで選手用駐車場へ。このバス、動線がわかりやすく、スタッフはたくさん。どれも待ち時間がなく、本当に快適なんです。感謝!駐車場を出ると富士登山競走は終わりです。一抹の寂しさを感じつつも、来年、山頂コースに戻ってくるぜ、と富士山に誓います。

 

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汗を流しに近くの温泉へ。浅間神社から1キロほどのスポットです。水風呂で足を冷やし、しっかりとアイシング&マッサージ。そして温浴。ふと隣を見ると、腕に富士登山競走の赤バンド。思わず「富士登山競走、走られたんですか?」と聞いてました。白髪のベテランランナーさんです。五合目コースに出られたとのこと。

聞けば山頂コースも走られた経験があるとのことで、来年走りたいからと攻略法を聞いてみました。二時間切りできる人に教えることなんてないよ、と言われるんですが、そこをなんとかと頼んで聞いてみると、これが情報の宝庫。

まずは試走だと。試走して山頂まで行ってみる。レースと違って給水がないから持参になるが、下からでも五合目からでも山頂まで登れば課題が見つかるから、と。その課題を克服する練習をしたらいいというわけです。なるほど。

基本は階段を一段飛ばして登ることを繰り返す練習がいいのではないか、と。その方、なんと鳥取だそうで、こちら岡山だと言うと岡山には◯◯さんや◯◯さんという速い人がいるだろうと。知ってる人の名前が。なんでわかるの?

そして、大山を海から駆け上がる、大山を往復してから海から大山を駆け上がる、キタハチのトレイル、那岐から那岐駅方向の急坂を数往復する、熊山に操山はどうだ、と。出るわ出るわのトレーニングメニュー。ありがたい…。

お名前をうかがってお礼をいい、温泉を後にしました。

気になって、あとからReiさんに聞いてみたら、トレランで有名な72歳のランナーさんで、萩往還250kやUTMF2022フィニッシャーの山本和市郎さんだと…。すごいランナーさんに気安くいろいろ聞いてしまってました。ありがとうございました🙇‍♂️メニューこなして来年戻ってきます。

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ご褒美リカバリー飯は、さわやか!

静岡限定のレアハンバーグ。これは文句なしの絶品でした。唯一無二の富士山擁する静岡らしい、唯一無二のハンバーグですね。来年もこれだな!

 

勝因と反省点

僭越ながら目標達成の勝因と反省点をまとめておきます。

 

練習としては、スタート〜馬返しまでのロードを想定した坂練が奏功しました。金山走がとくに効果的だったと思います。もっと回数を増やし、定期性を持たせると来年につながると思われます。

トレイルの登りに対応した練習は不足気味。階段練習などで鍛えるとともに直前にガチを入れるガチユル的トレーニングができそう。またトレイルはコンディションが変わるので、いろいろな山で練習しておきたいですね。

ちなみに月間累積標高は、

5月6000m、6月7300m、7月10000mでした。言うほど登れてませんね…。

何より基本のキは走力なので、これまで以上にガチユルやキロバルなどのランや筋トレにストレッチ、メンテナンスまで丁寧に計画的に進めたいですね。

ギアとしては、シューズは大正解。グリップ、軽量、フィット感のハンゾーSはベストチョイスでした。薄底なんですが、ソール素材がしっかりしていて登りのみの富士登山競走には問題なし。カーボンプレートの反発はsscで十分カバーできる距離ですしね。

ユレニクイ&ペットボトルも、気温との兼ね合いで概ね成功でした。ポカリのボトルにマグオンを流し込んだのですが、ツーランも入れてコッテリミネラル状態にしておけばよかったかもしれません。

ジェルは摂りませんでした。マグオンを溶かしていたので一本分だけ。消費カロリーは体重55kgの私で、斜度を含めても最大で1500kcal程度でしょうから、特に追加では不要と思われます。

ネックゲーターを帽子代わりにして、途中から首に回し、土埃対策としていましたが、五合目コースでは虫も埃もなくて不要でした。山頂コースでは下りで必要なようです。曇りなら帽子もない方が軽くていいですね。

愛用のEPSON Watch。無難に役立っています。表示設定をいじって単位時間あたりの獲得標高を意識した走りを練習に取り入れることもありですね。

レース戦略。

ネットタイム&暑さのため、最後尾スタートは正解でした。ただ、ロード区間で前を抜いていかないといけないので、ロスや消耗は小さくないです。流れに乗れたのは三合目くらいから。

とくに中の茶屋以降の舗装が古い区間は足元注意なので、できれば流れに乗って走りたいところ。走力の近いグループ内で進むのが理想なので、暑くないなら、たとえネットタイムでも走力順当なブロックからスタートしたいですね。

給水が紙コップではなくマイコップだったために、ペットボトルにしたことは、長短ありました。エイドをスルーするのでタイムロスは当然最小。一気に順位を上げられましたし、三合目以降の苦しい区間で飲めたことも大きい。また、コックは途中から開けっぱなしの垂れ流しになってましたが、序盤はやはり自分で触る感じでした。大勢が素手で触るのはどう考えても不衛生…。(垂れ流しはアンチ・エコだし、水浸しで足元ドロドロ。紙コップが衛生的で実質的なエコだと思います。)

しかし、繰り返しになりますが、ポカリ+マグオン一本のみで登るのはスレスレでした。暑さもあるなかで500mLプラス追加の200mL程度ではやはり脱水や電解質不足に。足攣りになってしまったのは必然ですね。発汗を考え、エイドでの給水を増やし、塩飴などの補給を取ればよかったと思います。

終盤の登り方は、やや無謀でした。大股で一気に最短距離を攻めるのは追い抜きには有効ですが、筋力を使う諸刃の剣。足攣りが対応可能な範囲でしたからフィニッシュできましたが、一歩間違えたら制限時間オーバー。今後の課題です。

 

来年に向け、この反省点を踏まえつつ、確実に山頂コース完走のためのトレーニングを積んでいきたいと思います。

関わってくださった皆さん、ありがとうございました。

次は道マラ!