紙ペーパー師匠のぺらっぺらジョグ日誌

ホイミンとマラソンするおっさんの日記

05 無謀⁈北海道マラソン挑戦の巻

2017年ころは、NHK地上波で「ランスマ」の再放送を不定期放映してまして、BS見れない我が家でも録画して何度も見てました。

金さんは、学生の頃からマラソン先生として教育テレビ等で見て知っていて、金さんのマラソン入門書を読んだり、DVDを借りてきたりしてた関係もあり、ランスマはかじりついて見てましたね。

その中で、亮さんが北海道マラソンに挑戦するという企画がありました。亮さんは、当時の私にとっては金髪チャラい不良みたいな悪いおっさんキャラ。ロンブーってPTAの敵みたいな感じじゃなかったです?マラソンしてること自体不思議だったんですが、それが,真夏の5時間レース、北海道マラソンの完走を目指すっていうんです。悪いですが「え?こんなやつが中級者レース?しかも北海道マラソン?」という目で見てました。

前編は暑熱順化トレーニング。消防署で訓練したり、日中の連続ランで滝汗かいて水分補給したり。そのメニューをきっちりこなしつつ、真夏の走り込みをしているわけです。去年ちっとも夏に走らなかった自分と比べ、猛暑の中で必死走る亮さんの真剣なこと。

後編はいよいよレース。札幌に6年間住んでた身として、真夏の札幌の気温が決して低くないことは体感して知っています。その中に走り出す亮さん。冷静なレースをするんですが、やはり中盤はしんどそう。

それでも新川通を折り返してから私設エイドなど利用しつつペースアップ。見ながらこっちが熱くなって応援。いけ、亮さん!

ついに北大に「入学」し、見事に完走!タイムもギリギリではないフィニッシュ。すげーよ、亮さん!

見終わった時にはすっかり亮さんファンに。そして、フツフツとわきおこっていました。

北海道マラソンに出たい」

北海道は自分にとって特別な場所。亡き父の出身地でもあり、母校のあるところです。ここを走ってみたい。亮さんに負けられない。

しかし、ご存知の通り当時の北海道マラソンは5時間レース。しかも真夏の道マラは430程度の走力がないと完走は難しい、と金さんのコメントも。430なんて、5時間切れない私には夢の数字。よほどトレーニングしていかないと無理な世界です。

悩んだ末にエントリーを決意。やるしかない状態に自分を追い込みました。涼しい秋に5:09のおっさんが真夏にサブ5挑戦です。ここから、当時のメモやらレポートやらを再構成。

 

さて、そんなことを北海道時代の友人に話したんですね。私のフル挑戦を笑い、完走を絶賛してくれたヤツ、です。

そうしたら、走るっていうんですよ。北海道でフルマラソン。面白くなってきました。これは負けられない。亮さん(の記録)と学友という2人のライバルに勝つために、トレーニング開始です。

 

ラソン自分史として革命的な出来事がありました。マラソンウォッチ導入です。それまでスマホをポーチに入れ、都度取り出してはペースや距離を見ていたわけですが、ついにGPS腕時計を購入。機能と価格のバランスでEPSONのJ-300に決定。心拍も測れて、画面は電子ペーパー。データはクラウドで管理され、スマホアプリやPCでデータを確認できる!

なんていう優れものなんでしょう。みなさんにもぜひお勧めしたい!…まぁ、みんな持ってるか。

 

そして、もう一つ。ランスマを見て始めたトレーニング。「ガチユル走」もスタート。記録を見るとガチのペースが5:30くらい。430でレースペースが6:20くらいですから確かに目標通りのガチユルをやっていたようです。

ランスマでは「ガチユルは走った距離の1.5倍程度の負荷」という話も。短時間でたくさん走ったことになる!ということで練習の定番になっていきました。

 

暑熱順化ももちろん実施。亮さんに負けないよう、汗だくになって飲むヨーグルトとバナナを摂るというランをやってました。

7月は総距離で57.6キロ。これまでになく走りました。走らない日はスクワットをベランダで。この頃は外に飛び出す習慣がなかったんです…。それでも、8月には早朝ガチユルハーフ走もやって、たしかな手応えを得ました。

 

また暑さ対策も開始。冷汗タオルに水を含ませて走ったり、フリスクケースに粒岩塩を入れてみたり。日除付きの帽子も準備。もういっぱしのランナー気取りです。

しかし、関門との戦いは確実。関門時間を計算してエクセルで表にし、ラミネート。28キロ関門だけ、関門間の必要最低ペースが厳しいことを発見します。つまり、その直後の30と合わせて最大の「関門」。ここの突破が前半の目標に。あの新川通の復路です。やるしかない。

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そして迎えた8/25。札幌へ向かいます。飛行機の中は乾燥するから、と真夏にも関わらず濡れマスクで移動。体調管理は徹底してましたね。

ひさびさに降り立つ北の大地に身震いします。遠征でのマラソンなんて考えたこともなかったですから。

 

受付を終えて、EXPOをまわっていると体が冷えてきます。夜の札幌は寒い。翌日は灼熱のマラソンになるというのに…。この寒暖差も実は関門です。

 

翌26日。早朝メシを済ませ大通りへ。スタート地点の大通り公園で友人と再会します。まさかランナーとしてここで待ち合わせるとは…。フィニッシュ地点で会おうと誓います。すでに気温は高く、ビビり気味。スタートブロックはG。記録がないと最後尾ルールですし、走力としてもまさにソコなので安心してスタートできましたね。

 

なお、ウェアは肌着におかやまマラソンTシャツ。下はCW-Xタイツにランパン…厚着だな!

シューズは2016から変わらずゲルカヤノ23。2年も同じシューズ!そして、EPSONウォッチに安いポーチ。ジェルはパワージェル!

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これって、先日ツイートしたチャレンジャーっていうジェルにデザイン変わったみたいですね。最近見ないと思ったら、同じ会社の製品でした。

 

テレビ塔のカウントダウンは遠すぎて見えず、GLAYのロングランも聴こえない西の端からスタート。ロスは約10分。ゲートまでのウォークとジョグがいいアップです。いよいよ、すすきのへ!

 

ランスマでは亮さんがとにかく前半抑えていたので、負けずに抑えます。目標6:30ペースに対して最初の5キロは6:33ペース、我ながらうまいペースコントロールです。

給水。噂に聞いた紙コップの散乱は見事でした。紙粘土みたいな塊が地面を覆ってました。本気で汚い北海道マラソン…。除雪車でできた雪山にタバコの吸い殻が大量に刺さってる土地柄ですからね。安定の道民クオリティ…嘆かわしい。

 

さて、中島公園あたりをぐるっと回ってる時に救急車が来た気がします。ゆっくり走っていて、それを抜かなきゃいけないんですが道の半分を救急車が埋めてますからとにかく大渋滞。10kラップは33分に落ちます。

おかげで疲労せずに大通りラインに戻り、北へ。青春時代を過ごした懐かしい景色の中、新川通りへと向かいます。

15.20と,ラップは32分。安定してたなぁ。途中「ボーリングのピン」さんに会いました。全身ボーリングのピンコスプレ。暑くないんですか?と聞けば「…暑いです!」ですよね。

さて、給水は…なんと紙コップが間に合ってなかったり、水がなかったりでした。遅いランナーには容赦ないんです。だって元々はガチレースなんだもん。おかやまマラソンのようなサービス抜群のお祭りマラソンとは違いますね。スポンジもありません。あれは鍛え上げられた速いランナーのためのもの。フードもスカスカ。悔しかったら鍛え直して出直してこい!はい!

 

新川通に入る頃には足の痛みが。これ、たしか膝蓋靭帯炎。でもまだ耐えられる痛み。そのまま前へ。

新川通は、長かったです。次の信号で折り返しだろう、を何度繰り返したことか。そして、暑い。どんどん体温が上がってキツくなります。覚えているのはどこかでもらった氷。気持ちよかったなぁ。

次の信号じゃないぞ、絶対違うぞ(でも、その次で折り返しだろう)……どっちも違う!

なんて感じで走りました。これはよく覚えてます。やっときた折り返し。自分の来た道を見てびっくり。札幌駅のタワーが霞んでます。いや、嘘だろ。あんなところに戻れるわけがない。

今でこそ「見えてるところは行ける距離」ですが、この時は愕然としましたね。そしてエイドにあるはずのフードなし。

しかし、ここから怒涛の私設エイドゾーン。スイカにトマトにガラナに飴にもらいました。飴には「ファイト!」の文字。一つ一つに応援メッセージ。うれしいなぁ。

5キロラップは32分、33分と粘ります。しかし、35キロくらいでトイレに。大きくタイムロス。この頃はレース中にトイレに寄るのが当たり前でした。ラップは38分。向かいの道路に収容バスがずらーっと並びます。遅れるとアレだぞ。

新川通を抜け、琴似くらいで応援の声を聞きます。「がんばれーーーーーーーー!」

書き方が難しいですが、とにかく長いんです。そして力強い。そんな少年の声。この声に奮い立ちましたね。私設エイドの氷ももらって元気になりランへ。

そして、ついに見えてきた門と研究施設。北大です。木陰に入り,一気に涼しくなります。

ここまでくれば完走は見えました。涼しくて走りやすいので息を吹き返します。40k地点の5キロラップが31:28。41kのラップはなんと5:03まで加速。残ってる足を全部使います。

旧コースはラスト、大通り公園に沿って500メートル。嬉しかったなぁ。フィニッシュ=サブ5達成ですからね。暑くてフラフラでしたが、3度目にして納得のフルマラソンができました。

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亮さんに近づけた気もしましたね。悪い大人の代表格みたいに思ってたロンブーですが、改めて尊敬。ランスマに帰ってきてくれないかなぁ。

なお、taromiはリタイアしたかなと思っていたんですが、「さいたまのはるな愛」として有名な市民ランナーさんと偶然に出会い、そのキレッキレのペースメーキングに追随することで見事にフィニッシュ。完全イーブンで関門をスレスレに突破し、最高効率の走りできれいに完走させてしまう人。この出会いが次の一歩につながります。

そして、北海道時代の友人は32km関門に捕まっていました。まぁ初マラソンに選ぶ大会じゃないですよね、すんません…。ラン後のお食事会でもグチグチ言われました。こんなにキツいことさせんなよ!2度とやるもんか!みたいに。その真意は後ほど。

 

ラソンウォッチ、暑熱順化にガチユル走。ハード面でもソフト面でも一歩、ランナーに進めた北海道マラソン初挑戦になりました。

 

つづく