紙ペーパー師匠のぺらっぺらジョグ日誌

ホイミンとマラソンするおっさんの日記

四国八十八ヶ所マラニック その3【阿波国編③】

いきなり余談から。

先日、出川哲朗の充電させてもらえまなんとかという番組で1-10番を打っている様子が放送されていました。我々が行った1週前だったようです。焼き芋屋のおじちゃんは映さんでくれと言ったと話してくれた通り、登場せず。なお、おじちゃんの話だと、出川哲郎もスタッフもあの番組の通りの対応なんだそうです。さて、本題。

今回のコースと準備

四国八十八ヶ所マラニックも第3回。

長野マラソンを控えていることもあり、今回は短めにコース作り。14番常楽寺から19番立江寺までの約30kmに設定してみました。」

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…コース作りをした時はまだ長野マラソンを走るつもりでしたからね。88マラニックはのんびりandトレイルなので足への負担はそれほどありません。長野のキャンセル理由となった問題は「股関節の自由度不足で、ストライドを広くするために蹴ったらシンスプを誘発すること」なので、のんびりだと問題はないんです。ややこしい…。今回は、練習としては動き続ける系トレーニングですね。

 

コースのポイントとしては、

・13-17番のいわゆる「五ヶ所参り」のうち後半14-17番を走る「街中遍路ゾーン」

眉山の南には街中ではなく「地蔵越え」ルート(トレイル)を選択

小松島市にも街中ではなく「あづり越え」ルート(トレイル)を選択

・18番から19番へは「弦巻坂〜弦張坂」ルート(トレイル)を選択

とくにあづり越えはいわゆる「世界遺産ルート」にもないので整備の状況が不安ですが、距離は短いので大丈夫だろうと判断しました。

トレイルはありますが案内を読む限り前回の焼山寺越えと違って穏やかな山道のようなのでロード装備。私はライトレーサーに短パンTシャツ、Reiさんはズムフラ3で臨みました。これはてんやわんやを招いたんですが,詳しくは後ほど。

スタート〜五ヶ所参りへ

今回は、るーさんが参加できずRezzoで周ります。5:30に岡山を出て、徳島へ。

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3回目にもなると慣れてきますね。

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駐車場は今回もakippaを利用。385円で1日停められるので大変助かってます。アップを兼ねて2キロ弱ウォークで徳島駅前へ。

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徳島はもう桜がかなり咲いていました。お花見ランの予感。

駅前でバスに乗り、前回のフィニッシュ地点、常楽寺へ。

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四国の交通機関はとにかくキャッシュレス化が進んでおらず、バスも列車も現金メイン。ランに小銭がたくさん必要なのはツラい…。

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ガラガラのバスに揺られて30分ほどで常楽寺です。路線検索はサイトがしっかりしていてわかりやすかったし、所要時間も短かったので、今後はバスも有効利用して行くことができそう。

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番所近くは標識が充実しています。迷いません。朝の常楽寺周辺は、前回の夕方の雰囲気とまた違っていて、静かで爽やか。バス停から300mで常楽寺です。

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写真でわかる通り、境内はデコボコなんです。これ、「流水岩の庭」と呼ばれる、むき出しの岩盤。その上にお寺が建っています。

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八十八ヶ所の中で弥勒菩薩を本尊としているのはここだけなんだそうですが、そのエピソードとゆかりのある巨木が本堂前のこのアララギ大師。しかし、勉強不足で見事にスルー。今回、予習が足りておらずスルーした箇所多数です…。

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第14番札所 盛寿山 延命院 常楽寺
(せいじゅざん えんめいいん じょうらくじ)

打ちました。

さて、今回のラン、スタートです。

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まずは五ヶ所参りの3番目、15番札所阿波国分寺へ。といっても600m。至近距離です。

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実は目の前の神社を抜けると常楽寺奥ノ院慈眼寺だったんですが予習不足でスルー…。

この日、日差しがあれば暖かく、日が陰れば肌寒いという微妙な気温。温まる間も無く15番札所阿波国分寺です。聖武天皇によって建立された東大寺とその仲間たちシリーズですね。備前国分寺跡は我らがいきもの舎と同じ町内ですし、備中国分寺は吉備路サイクリングコース沿い。岡山のランナーにはお馴染みの国分寺ですね。

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本堂の周りが塀で囲まれてるのは、その奥に庭園があるから。国の名勝にも指定されている庭なんだそうですが拝観料300円をケチってスルー…。

月曜日なので人が少ないと思いきや、常楽寺国分寺もお遍路さんや参拝客が数人ずついるんですね。団体のお遍路さんの姿も。ここあたりで見かけたバックパッカー白衣お遍路さんは、18番近くまでご一緒でした。

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第15番札所 薬王山 金色院 國分寺
(やくおうざん こんじきいん こくぶんじ)

打ちました。

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納経所にこんなポスターがありました。

僧侶のカッコいいモノクロ画と、なぜかセカオワDragon Nightの歌詞が。

「人はそれぞれ「正義」があって、争い合うのは仕方ないのかも知れない。だけど…
僕の「正義」がきっと彼を傷付けていたんだね」
ポスター下には歌詞全文が掲示されていました。

今この時期にこの歌詞。

強いメッセージ性を感じずにはいられません。

いろいろ考えさせられながら国分寺を後にしました。

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続く観音寺もランナーには至近距離。まだまだアップです。ひんやりとした風の中、田畑の中を走り、住宅地に入るとすぐに到着。ここはコンパクトなお寺でした。

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門をくぐるとすぐに聴こえてくるお経をあげる声。篤いお遍路さんの正式な巡礼スタイルですね。観音寺には夜泣き地蔵があるんですが、それを知ってか知らでか、白衣の子どもお遍路さんも参拝していました。地蔵は…やはりスルー。まぁランのために来ているということで。

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第16番札所 光耀山 千手院 観音寺
(こうようざん せんじゅいん かんおんじ)

打ちました。

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次は井戸寺へ。体も徐々に温まり、動けるようになります。コースは街中。ごちゃごちゃとした交通量もある狭い道を進みます。これもまた遍路道

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しかし、コース沿いの寺社を中心にいろいろな桜が咲いていて気分は上がります。おかけでなかなか進まないという…

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でも距離としては短いので、あっという間に井戸寺です。立派な仁王門が出迎えてくれました。蜂須賀重喜が寄進したとか。歴史マニアにはたまらない…のかな?

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門をくぐるとすぐに僧侶のお経をあげる声が響いていました。雰囲気ありますね。

こちらも国分寺時代のお寺だそう。いろいろな伝説てんこ盛りなんですが、ここから始まるラン&トレイルに心が向いてしまい、やっぱり細かい見どころはスルー。井戸寺の名の由来である井戸すら見ていないです。まぁ覗き込んで自分の姿が見えなかったら厄災が云々とのことなのでスルーで正解…。なお、このお寺の地名も「井戸」がつきます。

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第17番札所 瑠璃山 真福院 井戸寺
(るりざん しんぷくいん いどじ)

打ちました。

ちなみに、ここで諡号(しごう)1100年記念ピンバッヂなるものが売られていました。八ヶ所の番所で一種類ずつピンバッヂを買い揃えて専用ケースに入れると「南無大師遍照金剛」のエンブレムが完成!っていうコレクター魂をくすぐる企画物グッズなんですが、ね。ええ、何も言いませんよ。

 

突発的パンマラニック

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五ヶ所参りを終え、18番恩山寺へ。ここから眉山の南に向かうことになります。眉山といえば、さだまさしの小説で聞いたことあるかも。徳島市のど真ん中にあるシンボル的な山ですね。

時刻も昼に近づき、いい感じに体がほぐれ体が動いてきてペースもあがります。

…するとお腹が空いてくる…。

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井戸寺すぐ近くの神社でパン休憩。脚ダメージを減らすために細かく補給していきます。ファミマのクリームパンなどでお花見エイド。

ここでReiさんの胃袋に火がついた模様…。

走り始めてほどなく「パン屋あるよ!行ってみよう!」

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…どこ?

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たしかに、「パン」の文字。本気か…。

ググることもせず、適当に走ってパン屋らしき建物に向かいます。今回は30km設定なので余裕ぶっこいて思い切り遠回り…さすがReiさん。

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定休日でした。

完全にムダなラン。しかし、これでパン探しに火がつきます。パン!パン!パンはどこだ!?

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いや、それはパンツ

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Googleマップでは飲食店マークの玉屋製パン…工場じゃん…。

眉山に向かって走りつつもパン屋探しムダラン

…。我慢ならん!ということで、ググって評価の高いパン屋さんを狙って走りました。そして発見。

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その名も「pan vi zan」=パン眉山

bizanじゃなくてvi zan。

下唇を前歯で押さえてヴィザン。なぜvかというと、vigorous でvoluntary なvictoryしちゃうお店なんだからだそうです。

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甘くないクロワッサンにベーコンと卵を挟んだマヨソースな惣菜パン。美味すぎでした!victory!

 

短いけれどガチトレイル〜地蔵越へ

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一服したら、旧遍路道に引き返します。

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街中ルートの場合、ここからさらに18km。我々は山越えなのでもうすこし短いです。井戸寺で一区切りして次回へ、というのがメジャーなのもわかりますね。一度、川まで戻ります。

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鮎喰川沿いも桜が咲いていました。

土手から降りてしばらく進むと大きな池に出ます。

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地蔵院池との看板。このすぐ後に立ち寄った地蔵院というお寺の関係する池でしょうか。落ち着いた公園といった風情で一息つけます。

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そして、ここがその地蔵院。初回に訪れた一番札所奥之院東林院が加わる新四国曼荼羅霊場シリーズの一つのようです。大師堂があったり納経所がわかりやすく示されていたりと、参拝しやすい工夫が。八十八ヶ所が万一、世界遺産になった時に取り残されないようにしているのかな、なんて邪推してみたりして。それくらい、「本家」八十八ヶ所は栄えて見えるんですよね。

さて、お寺を回り込んで、不整地へ。

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この立派な石造りの標識は行政が建てたオフィシャル道標なんですね。世界遺産に登録を目指すために、きっちりとしたルートを決めている様子。つまり比較的安全なルート、のはず。

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橋を渡って山に入ります。

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その橋。踏んだ足が沈み込むくらいの強度。他の人、渡ってるんだよね?番長なら怖くてハッチさんにしがみつくレベル。

こんな橋がもう一つあって、本格的にトレイルがスタートです。

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序盤は、前回の焼山寺山に比べると鼻歌混じりに登れるような楽な山道。

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こんな休憩所もあって、歩き遍路のために整備してくださってることがわかりますね。

しばらくして斜度があがってきます。

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苔むした岩に積もった落ち葉と小枝。どう見てもがっつりトレイルに…。ロード用のシューズなのでズリズリとスリップして足を取られます。「ズムフラで大丈夫って言ったの誰?」とドスのきいた声が後ろから。ほんとスンマセン…。

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罰ゲームで湧水の毒味を…。というのは冗談で、遍路道にある水場にも慣れてきて、すんなり水分補給です。夏場ならうまいんだろうなぁ。

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要所要所で、ロープが張られていました。これを掴んでいけば楽に登れます。裏を返せば、ロープが必要なくらいに急登ということ…。

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地蔵越というのは、このお地蔵さんが由来?

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いや、こっちかな。真偽はともかく、地蔵峠を越えます。距離としては短かったですね。降っていくとすぐにロードに。しばらくロードとトレイルを交互に繰り返しつつ、降っていきます。

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とにかく桜!

少し走れば桜が咲いていて目を楽しませてくれます。

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ここで地蔵越えのトレイルゾーンは終了。ロードを進むと色鮮やかなピンクが目に飛び込んできました。
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阿波雅桜です。徳島の固有種だそうで、大きな花弁と長い開花期間が特徴とのこと。ソメイヨシノよりも色が濃いですね。そのため、とても華やかなに見えました。

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他の花見客との会話も弾みます。ちょうど満開になったタイミングとのことで、ラッキーでしたね。

降り切ったら、このゾーンは完了です。

 

世界遺産ルートではない「あづり越え」へ

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次のゾーンは小松島市に抜けるルートになります。文化の森=県立図書館方面が楽なんですが例によってトレイルのある方へ進みます。まずは今回も登場の潜水橋。

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車通れるの?

欄干を見ると、擦った痕が多数ありました。チャレンジャーだな…。

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橋を越えて、高速道路と交差する方向にいくと、見慣れた赤い矢印=へんろ道保存会の標識が。保存会は条例などお構いなしに許可なくステッカーを貼るので、違反ヶ所は剥がされていってるんだとか。それでも、歩き遍路ではとても心強い。

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というのも、このあづり越えルート、歩き遍路のガイドブックや主要なお遍路ルート紹介サイトのどこにも載ってないんです。歩き遍路をした人のブログにたまたま発見したルートなので本当にあるのかないのかわからないという。

赤矢印に安心して、進みます。

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アスファルトがコンクリート舗装になり、徐々に山道へ。あづり越えというのは、義経があずりながら越えたことに由来するなんて話も聞きます。

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たしかに、ここもしっかりトレイルでした。これまたロードのシューズでは滑る道。ほんとスンマセン…。

救いはトレイルが短いこと。峠では眉山などに続く分岐点もあり、トレイルを楽しむには良さそうなところでした。

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降っていくと、少し展望が開けます。レールがあるのはみかん収穫用のものらしいですね。

写真は撮っていませんが、このあづり越えルート、ゴミの不法投棄がとても目につきました。何ヶ所もゴミの山があり、一般廃棄物やら家電やらが朽ち果てていました。この辺りが世界遺産ルートから外されている所以なのかも知りませんね。

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降る途中に地蔵院東海寺。ここも義経伝説が残るところ。立ち寄らずに進みます。

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広い道に出ると,その先にこんもりとした緑が。弁天山です。

これは日本最低の山。大阪天保山が人工の山として日本最低なら、こちらは自然の山として日本最低、6.1メートル。

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一応登ってみます。吉井川河口のボンボン岩と雰囲気似てるけど、まだあっちの方が高いかな。数秒で山頂。うん、周りの木の方が高いぞ。

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山頂からの景色を堪能…いや、景色見えないし。ほこらで御朱印無人販売があったので、欲しい方はぜひ登頂を。

その後、一度遍路道を行きすぎて、その先にあるローソンで休憩です。

 

小松島市ロード〜恩山寺

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立ち寄ったローソンで阿波晩茶なるペットボトル茶を発見。買ってみました。

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名前だけ地元風のお茶かと思いきや、飲んでみるとお茶の風味が強く、それでいて爽やかな飲み口。これうまいじゃん。

印刷されてる解説を読むと、発酵茶の一種らしく、なんとこの製法も弘法大師が伝えた、と。弘法大師伝説…多すぎ。大蛇とバトルしたかと思えば温泉を当て発酵茶を作りつつ井戸も掘る。どんだけ多才なんだよ!

お茶としては、飲んでわかるレベルで美味しいです。

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遍路道に引き返して再スタート。JR牟岐線に沿うような形で南下し、小松島市へ。今回は立ち寄っていませんが、たぬきの町ですね。ジブリの「平成狸合戦ぽんぽこ」のモチーフになった神社もあったり、巨大たぬき像があったり。時間があれば見ておきたいポイントです。

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勝占神社(かつら)です。義経が「勝を占める」縁起を担いで参拝したとか。ここはせっかくだからと寄っていこうとReiさん。

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寄るんじゃなかった…。なかなかの石段でした。

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小松島市に入って橋を渡ります。当時は渡しがあったんでしょうか。それとも上流まで大回りしたんでしょうか。なお、この標識はオフィシャルステッカー。

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小松島市の中心部で「お杖の水」に寄ります。これも空海によって湧き出した井戸とのこと。これは飲んでみなくっちゃ!

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…やめとこ。

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この辺りでバックパッカーお遍路さんと熱いデットヒート。旧道を寄り道しつつ走る我々と広い道を黙々と進むお遍路さん。ちょっと交差を繰り返しました。挨拶程度しかできなくて残念。

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ついに恩山寺です。ラストがなかなかの急登でした。その昔、この坂より上は女人禁制だったとのこと。

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ここも桜が迎えてくれました。

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空海がここで修行中、生母が訪れたそう。空海は女人解除の祈祷をしたというエピソードが残されています。女人禁制といえば絶対不可侵の伝統ルールのように扱われますが、結構、柔軟に対応したんですね。祈祷という筋を通して実母を迎えるという実を取る。うんうん。

ここには本人が掘ったという大師堂の像、そしてすぐ前には大師御母公剃髪所という石碑かありました。ちなみにこの大師堂も本堂も化政年間に再建されたものだとか。

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第18番札所 母養山 宝樹院 恩山寺
(ぼようざん ほうじゅいん おんざんじ)

打ちました。

納経所の住職が我々のスタイルを見て「走ってこられたんですか?」と聞いてくれました。そうだと応えると「それはすごい!私なんてここの坂を登るだけで息が上がります」って、ここの急登で息が上がらない人の方が珍しいよ!

 

弦巻坂〜弦張坂から立江寺

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恩山寺から立江寺まではそれほど距離もありません。ガイドブックには風情のある竹林の写真があり、穏やかなトレイルを楽しめる様子です。

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恩山寺から少し降って牛舎の横を通って山に入ります。防疫のために近づかないで、と看板あり。牧場としては人を通したくないところでしょうが、遍路は通すのかな。牛は遠目に見るだけに。

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先の方が崩壊してるけど、大丈夫かな…。

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「新しい自分と出会う」たしかにそんな期待を持たせる竹の倒れ具合でした。
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しかし、進むにつれて整備されたトレイルに。雰囲気は笠井山周辺の竹林のようです。
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弦巻坂というのは、義経が「もう敵がいないから弓を緩めて=弦を巻いて」進んだという逸話から。つまり、義経はこの峠を逆から越えたんでしょうね。なので反対側の登口には…

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弦張坂。つまり、敵を警戒して弦を張って登った坂です。ここまでくれば今回のトレイル区間は終了。シューズのグリップがあれば楽しめる長さの山道でした。

すぐ近くに「弘法大師のおむつき堂」がありました。なんでも空海のオムツを納めたんだとか。撮ったはずの写真がないんですが、薄暗い木立の中に墓が立ち並んでいて少し不気味なところでした。

 

お京塚〜立江寺立江駅

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山を出ます。


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もう畦道程度では驚かないぞ。これぞ遍路道ですね。サクサク進みます。
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慣れてくると普通のロードより不整地の方が楽しめちゃいますね。もしかしたら空海が、義経が、歩いたのかもしれないな、なんて想像できちゃいますし。残り3キロくらいからはロードでした。

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とにかく桜が咲いていて花見客も多いので、日曜よりも人とすれ違うことの多い遍路になりましたね。

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ここは「お京塚」。お京さんは夫を殺して別の男と逃げたんだとか。立江寺で髪が抜けてなんとかと書いてあった気がします。そんな伝説の残るお京塚。隣に再婚相手探します、の看板があってなんともシュール。

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川沿いに進むと住宅地になり、眩い朱色の橋が目に飛び込んできます。行基が白鷺に暗示を受けたと伝説の残る白鷺橋。これを渡ると目の前に立江寺です。

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光明皇后の安産祈願で建てられたという立江寺。お京塚にもあったように、悪いことをすると越えられない札所という面も。四国の総関所と呼ばれているそう。

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第19番札所 橋池山 摩尼院 立江寺
(きょうちざん まにいん たつえじ)

打ちました。本堂に素晴らしい絵天井があるらしいんですが、やっぱりスルー…。

今回は30キロということで目標の立江寺まで打つことができました。ちゃっかり10%増量の33キロになってるのがRezzoらしい…。

第3回目、完!

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ここまでの合計走行距離121.4キロ!

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立江駅が目の前にあるので、次回はここからスタートになりそう。列車に揺られて阿波富田駅で下車。駐車場に戻ります。iPhoneのバッテリーが切れててんやわんやもありましたが、どうにか到着。なお、この辺りはとくしまマラソンのスタート地点付近ですね。うらめしや。

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徳島の銭湯めぐりも3回目。水風呂がぬるいのが残念でしたが、いい雰囲気のお風呂でした。今回は徹底してアイシング。


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リカバリー飯は、老舗の「はやし」で。

お土産に阿波晩茶を買って帰ろうとローソンを5,6軒回ったんですが見当たらずじまいでした。

 

おっさんのごたく

国分寺セカオワDragon Nightの歌詞

「僕の「正義」がきっと彼を傷付けていたんだね」

が紹介されていて、「僕」とは誰だろう、「彼」とは誰だろう、ここでいう「正義」とはなんだろう、と考えさせられました。

マラニック中考えたことを書き留めていたら3000字を超えてしまったので、割愛…笑

 

時期的にロシア・ウクライナ問題へのメッセージなんだと思います。個人的に、どちらかに肩入れするつもりはありません。

ただ、遍路マラニック中に感じる安心感の源、「目に見えないものを信じる人たちが持つ穏やかさ」というものを学びつつ、自分自身の正義を振りかざすことがないよう気をつけながら、マラニックを続けたいなと思った次第です。

 

第4回に続きます。