紙ペーパー師匠のぺらっぺらジョグ日誌

ホイミンとマラソンするおっさんの日記

北海道マラソン2022 技術的なことのまとめ

前回のドラマ編?では割愛した技術的なことのまとめです。まとまっていない個人用備忘録なのでツッコミは程々にお願いします。


目標、グロス2:59:59に対して、

結果、グロス3:01:46、ネット3:00:45という成績でした。


目標に対しては失敗で、熱中症アウトは大失態なんですが、公認自己ベストを14分以上縮めたのも事実なので、詳細を記録しておきます。来年への足がかりでもあります。


暑熱順化について

道マラといえば猛暑対応。

レースはもとより暑い時期にトレーニングしなくてはならず、何より先に体を暑さにならしておかないと始まりません。

5月。柴又前の時期から既にスタート。ヒートテックの肌着にウインドブレーカー着てバイク20kmなどで汗をかき、直後にプロテインドリンクを飲むパターンです。頭おかしいヤツに見られますが気にしない。これを連続して5日ほど行いました。時期が時期なので暑熱順化トレーニングのための暑熱順化といった位置づけです。そもそも日中ランするので勝手に暑熱順化されるんですが、そのためにも柴又のためにも早い時期から暑さ対策はしていました。

6月はトレランやロングがそのまま暑熱順化ですね。とくに月末の橋ピークス50kで暑さ慣れを実感。

7月はスピ練+ジョグ。

8月はスピ練+アップで発汗。

時期に合わせてムリなく滝汗期間を持つ、といったところです。ランスマでは、ラン直後10分以内に飲むヨーグルトアミノバイタルパウダー、バナナというルーティンだったと思います。そこまでできないですが、確実に水分はとってます。帰宅が早ければマイプロテインを1杯。

→春先から暑熱順化を進め炎天下ランに体を慣らすトレーニングは来年も実施。ラン直後マイプロorプロテインドリンクは確実にとりたい。

 
練習メニューについて

5/22 柴又100k

6/5 那岐ピークス32k

7/29 富士登山競走五合目

とレースを抱える中で2年半ぶりのフルに仕上げる流れになりました。

 

なんでもない時の基本的なメニューは

・スピ練=ガチユル3:20orキロバル3:45

・ジョグ4:30〜6:00 5〜15k

・街中ファルトレク4:00〜7:30

・トレラン 3〜6k

LSD 15〜30k 5:30〜7:00

・坂練 3〜6k 5:00〜7:00

・ペーラン 10〜20k 4:00〜4:30

の組み合わせなんですが、シンスプ≒疲労骨折への恐怖から全体的に負荷を落としての実施でした。練習メニューとしては常にフル3時間未満を想定しています。

 

ここ3ヶ月の練習を規定してきたのはフォーム改善。一言でいうと1軸→2軸です。

悪い癖で一直線上に足を置くように接地する習性があるんですが、外側から足が回り込んできて接地する時に脛の内側が伸ばされるんですね。それがシンスプの原因だったと思われるわけです。

以前もこれを補正しようとしたんですが、この補正は諸刃の剣で、オーバープロネーションが減ると、その分クッションも減る。つまり膝ダメージは増える。結果、推定ですが棚障害を引き起こしました。ランオフで治し、ストレッチで再発を防いできたんですが、シンスプになっては意味がなく、2度目の改善チャレンジ。

今回はハム側のストレッチを重点的に行いつつ、山トレ坂トレで脚筋力を鍛え、膝クッションによるダメージ軽減を狙いました。

股関節・ハム側のストレッチは、準備運動や整理運動ではなく、可動域を広げるためのもの。30秒3セットで毎日行いました。これはかなり奏功し、アップのハイキックも楽に行えるように。坂トレは後述しますが、脚筋力はそれなりについたと思います。ボディワンの先生からも足に筋肉がついた、可動域が広がったと言われました。

2軸化するのは、感覚的には「内股気味で走る」感じ。元がガニ股気味なので、内股にしたくらいでちょうど膝と足先が同じ向きになります。さらにいうと、膝の軌道に意識を向けると共に、親指を広げて地面を掴むイメージ。これを常々キープするようにしました。スピ練でもロングでもジョグでも、可能な限り意識的に行いました。

これが完成したのかどうかわかりませんし、シンスプが治っていっているのかも不明ですが、今のところ悪化はしていないようです。

→股関節・ハムの可動域を広げるストレッチは定期的に継続する。

→2軸走法、「膝の軌道と親指の向き!」は今後も継続して改善する。

 


スピ練は6〜8月で7回だけ。使用シューズを故障対策のズムフラからターサーに移行しつつ、キロバルからガチユルに切り替えています。これはシンスプが治まってきたと感じたことと暑さにやられたこと、道マラはターサーで(=サブ3狙い)という理由によります。炎天下でのガチユルで3:14を2本揃えたのがスピードのピークで、3:25くらいで走ると余裕がある、といった状態でした。また炎天下バル3:41ができたことは、道マラのレースペースを4:12にする背中を押した気がします。

場所はロードがメイン。トラックも使いましたがコーナリングの技術がなく足への負担が大きいため極たまにです。マラソンの実戦はロードですから不安定なロードでの練習の方がリアルかなとも思います。

また2軸を意識してもこのスピードで走れるようになったので、走行効率も悪くないんだと思います。ただ腕振り=上半身の捻りと骨盤の連動がいまいち意識できていなかったと思います。

また、ガチユルの場合、ユルが丁寧にできていないのがやや問題ですね。脂質代謝閾値アップのためにもこれは留意せねば。「あの練習をやりきった」という自信がないと、レース直前で落ち着いて臨めませんからね。

→2軸意識でスピ練継続。

→バル、ガチユルを万遍なく。ユルはレースペースまでビルドアップ。

→自分にとって効果的だと考えている練習はやりきって自信につなげておく。

 

定期的に行い、結果を出せているスピ練に対してロングはイマイチでした。時期のせいもあり、しっかりしたロング走ができていません。

6月こそ毎週末30〜50kmのトレイルやジョグができましたが7月は萩往還の応援ラン46k、8月に至っては3時間走24kとレースペースラン21kのみ。あとは10k台のジョグ・ペーランだけでした。これも不安要因でしたね。3時間動いたといえばトレイルでは長時間動けていました。夏の暑い時期には、これが効果的かもしれません。

→定期的なロングは欠かさない。それはメンタルにも影響する

→夏のロングトレイルで安定した負荷を長時間かけて、ロングの代替にならないか検討

 

その他のメニューについては、7/29の富士登山競走に向けて坂練の比率を高くしていました。橋メインの坂練から、キロ単位で坂を登るようにしていたことは脚筋力、とくにハムや、Vo2MAX増加に役立ったかもしれません。

→来年、山頂コースと道マラサブ3を狙うならこれは計画的に増量。

 

また、メニュー構成は相変わらずのロックンローラーで、スピ練とロングがあれば後はその日にやりたいランをするという行き当たりばったり練習でした。ノーストレスなんですが効果的でなかったり、走りすぎで故障の原因にもなりそうなので誉められませんね。

なお、月間走行距離目標は放棄し「週に75k程度まで」を目安にしています。

→スピ練&ロング=振り幅が大きい両輪は継続

→距離目標より内容・質をさらに向上。目的を持って練習メニューを先に決めるように

 

練習メニューと対をなすのがアップ・ダウン・メンテナンス。かなりの比重を占めるようになりました。

アップは、ハムのストレッチは徹底した一方で大腿四頭筋のストレッチがややおろそかで8月中盤まで断続的。スピ練前のアップジョグも暑さで減り、動き作りも減っていました。レースが近づいてからはかなり積極的に行い、特に本番に近い「時間内アップ」をシミュレートできたのは良いメニューだったと思います。

→主要箇所のアップストレッチは書き出してチェック。最低でも週2くらいは回す

→暑くても動き作りはしてから走る習慣づけ。腿上げ、股関節の可動式、ツイスト、スキップなど

→本番想定は大会ごとに早めに確認して実施

 

ダウンはウォークを不定期にしたくらい。ダウンストレッチが疎かになっていました。疲れを残さないためにも500mのウォークと一通りのストレッチは習慣づけが必要だなと思いました。意識が低いですね。

→ダウン習慣、ウォーク&ストレッチを。これこそ練習だという意識で

 

メンテナンス。アイシングはスネをメインに徹底しました。ゆるいソックスを履いて隙間に保冷剤、という雑なアイシングですが効率的なので継続したいです。

ストレッチははっきり言ってたまにしかできていません。広げるストレッチはできてもダウンとしてのストレッチは忘れがち。

温冷浴は週に1回程度。少ないですね。

フォームローラーでのマッサージは増えました。毎日やっていると痛みのポイントで疲労がわかってくるので指標としても大切ですね。フル後は痛くてできないレベルでした。また、オイルを使ったマッサージもたまに実施。

ジクロフェナクなど薬剤を使う頻度はかなり下がりました。食べて寝るほうが効いている気がします。

→アイシングは継続。ダウンウォーク&ストレッチはムダなジョグを減らしてでも実施

→炎症がなければめんどくさがらずに温冷浴

→フォームローラーでほぐし&体感トレ

 

栄養面

ベースは「1食30gのタンパク質」で、ラン後の速やかな糖質補給は心がけて実施。ガチユルやセット練で意図的に飢餓状態を作る日以外は朝プロテインを摂るぞと思っていましたが、ガチユルが少ない上にセット練は皆無でした。

→タンパク質摂取量の概算は継続。

→マイプロを朝、夕にわけるなど30gを分散、安定させる。

→練習メニューと連動させる。スピ練後のプロテインはしっかりと。

 


テーパリング

1ヶ月前に富士登山競走でオールアウトしてからの調整でしたので1番苦心したポイントですね。

富士翌週には、一般にテーパリング開始となる3週間前がきます。しかし、「坂15kレース」から「フラット42kレース」に切り替えたいのでペーランやロングをやりたい。そのため

4週前…回復の55km

3週前…走り込みの90k

2週前…疲労抜きの45k

1週前…目標ペースとアップルーティンを叩き込む20k

という調整をしました。

 


基本的には定石の「負荷は落とさず距離落とす」です。

ちょうど3週間前にレースペースのハーフ走をやろうとし、暑さに撃沈。

それを踏まえて、シングレット導入、給水量増加、塩分ローディングなどで数日後に再チャレンジ。29℃で4:18のハーフを走り切り、ほんのりと手応えを得ました。しかし、肩の日焼けがひどくヒリヒリ痛むという…。

そして1週前に4:10ほどで5kmペーラン。本番想定装備=ターサーRPでチェックし、ピッチとストライドの目安を得ました。

→テーパリングの流れは特に問題ないが、もう少し計画的に

→直前の服装変更などは何がおきるかわからないので、早め早めに

→自分のシューズとペースに合ったピッチやストライドは、普段から把握しておく

 


そして、レース2日前の金曜日にボディワンでマッサージを受け、レース前のチェックアップ。先生から「走れますよ!」とお墨付きを得ました。シンスプ≒疲労骨折の時は全力でブレーキを踏んでくださった先生からのお墨付きですから安心と自信が得られますね。

ただ、いわゆる揉み返しか、気にしすぎて触りすぎたかがあったようで土曜日は一日中スネがシクシク痛むことになり、不安が増大。これが揉み返しなのか、終盤のハーフペーランによるものなのか分からず、当日を迎えることになりました。

→2日前のマッサージ自体は効果的。揉み返しは気にしない。触りすぎや気にしすぎこそ注意。

 


直前のローディング関係+移動

金曜から炭水化物の比率を高めました。主食のTKGを増量したくらいですが。やや食べすぎ…。

土曜は朝から炭水化物メインに。味噌汁+白いご飯です。塩分とその他ミネラルを摂ります。飲み物の代わりに即効元気とポカリ。

昼も同様に食事+ジェル。

ただジェルは甘いので満腹感がすぐにきてしまいあまり詰め込めないという…。

→食べすぎ注意。

→普段からしてないことはしない。したいことは普段からやる。練習もする。


また今回はモルテンに頼ろうかなという気もあったんですが何せ「高級」すぎるので「なんちゃってモルテン」で対抗。ポカリに黒糖を溶かし込んだものを用意しました。これをちびちびと飲みながら過ごすことに。


移動〜受付〜宿舎

岡山空港から直行便にしました。移動ストレスは最小です。費用は馬鹿になりません。やや気負う結果に。

ホテルも大通りから近くて広いところ。妥協なし。

失敗だったのは近所のコンビニから塩むすびなどが消えていたこと。これは岡山で買っておくべきでした。

夕方のジョグは気分転換によかったですね。コース確認すればよかった気も。

夜の時間の使い方は良かったと思いますが、あまりに気負いすぎて寝つきが悪かったです。22時就寝。

→環境は金で買えるが、その分、結果を出さないといけないプレッシャーあり。

→食事は重くなっても事前購入。

→ジョグコースはコース下見も兼ねて。

→タイムテーブル通りに動けたが、プレッシャーは寝つきを悪くする。


当日の朝

4時起きして食事、の流れは毎度おなじみ。もっと前日に準備しておけば朝のストレッチに時間が割けましたね。

スネの痛みはなくなりましたが、今までにない緊張感。心音がわかるような感覚。

会場入りは6時過ぎ。無理やりテンションをあげていこうと、有名選手をチラッと見に行きましたが、ほとんどよくわからず…。東洋の選手グループがいたので柏選手もいたのかな。しかし、それでも緊張感が取れず。

荷物預り近くで動的ストレッチ開始。どうも手につかない。普段であればレース前には武者震いというか、「苦しいレース、かかってこいや」という変なテンションに入れるんですが、今回はそれがない。アップメニューがこなせたかどうか。

→朝の行動は事前準備が肝要。食も動きも。早めにメニューを決めてしまい、淡々とこなすこと。

 

くまさんに話しかけられて、ややテンションアップと落ち着きが取り戻せました。その後、ハッチさん&番長。仲間の合流でテンションはさらに上がりました。

トイレは行列が長すぎて並ぶか悩むほど。おかげて整列に遅れそうになり、アップどころではない事態に。

→シューズ円陣などは事前に時刻を決めてしまうこと。

→トイレは早めに並ぶ。整列してからその場アップも動きも作っておく。


スタート

Cブロックは西から曲がってスタート=非アスリートゾーン。冬の自己ベストより一回り速いタイムを書けばよかったです。鯖読みというか大盛りというか不正申告というか、走力と全く見合わない出走者が多数いるので、こちらも遠慮してはいけませんね。

→来年は2:59を書く。なんなら2:55でも。


スタートロスは1:01。グロスだと42キロかけてとりかえせばいいのでハーフ地点で30秒。つまり10:00:30でよい。このことが頭に入っていなかったことは反省。そして、あまりのロスと周囲の遅さに焦ります。

→10:00にスタートロスの半分を加えた時刻がハーフ地点の目安。

→後方ブロックだと、どうにもならない。


1キロ目。ペース4:29。

とにかく遅いランナーに阻まれ焦ります。前回のCブロックは速くて焦ったのと正反対。メタボ体型で体幹がブレてるのんびりペースのBブロックって何?と苛立ちます。

無駄な体力を使わず後から取り戻すか、無理してでも前に出るか。時計のペースはキロ5分台。5:20で1キロ走ると残りでキロ2秒ずつ取り返さなくてはならない。4:10に上げるなんて無理です。左右に振ってでも前に出ました。賭けですね。これは無理があったらしく、膝を痛めた模様。その場では大きな痛みにはなりませんでしたがハイペースで左右に振るのは危険ですね。ことぶき先生の言う通り、変にブレーキをかけることも多くなり、普段ではありえない負荷がかかりますね。

→あまりに遅すぎると取り返すのが困難。左右に振って前に出るなら、それ相応のトレーニングを。


2キロ目、4:04、3キロ目、4:09

ちょっとした下りもあり加速。平均ペースを取り戻そうとします。糖を過剰に使ったかも。

まだまだ混雑が続きます。急加速も多く、相当無理をした区間

→取り戻すスピードは危険。


4キロ目、4:17、5キロ目、4:16

やや走りやすくなり、流れに乗って回復。橋とカーブでペースは落ちましたが、大きな遅れはない。とはいえ、4:16ペースなんていう速さで走っても数秒失っているというのは精神的にキツいなと感じましたね。

→やはり4分フラット辺りで巡航できる安定感がほしい。


5キロ時計ラップは21:17。

5キロ地点ラップは21:33。

公式のスタート〜5キロ地点を通過するまで21:33かかり、

EPSONウォッチでの最初の5キロ走行ラップは21:17。

つまり5キロ地点までに約16秒分の無駄な走行があったわけですね。(5キロ地点までに5キロ以上走っている)以降5キロ毎にこの差異を計算しておきます。後半ほどズレが大きくなりますが、ざっくりとした走行効率は見えそうです。

→遅れを取り返すのは賭け。リスクが大きい

→走行距離も伸びてしまう。混雑中は疲労ほど取り返せない。


6キロ目〜10キロ目

4:11-6-12-1-16

やっと走りやすくなります。目標ペースと近い速さが出ました。

コースは下り基調に入ります。以前は感じなかった下り坂に気づいたのは走行ペースが上がったからでしょうか。

南7条大橋から創成トンネルにかけての区間は見た目にも下りなのでわかりやすいですが、普通の道路でのアップダウンへの反応は遅かったです。

スネの痛みこそないですが、まだ怖さもあってストライドを落とし、ピッチを上げて下るようにしました。

5kと7.5kで給水。やはりこのペースでの給水は難しく感じました。混雑の中で水の紙コップを掴んで正確に背中や腕にかける、帽子をとって頭にかける、スポドリ(ダカラ)をとって飲む、また水をかける。この動作はストレスですし、息が上がりますね。そして、足にかかればシューズは水びたし。雨ではないレースで濡らすのはもったいないです。これも工夫の余地あり。

またダカラはやや薄いです。実は夏場のロングでは欠かさず飲むくらい好きなダカラなんですが、本家スポドリポカリスエットに比べると一回り糖分も塩分もその他も控えめ。夏場のレースですから経口補水液でもいいんじゃないかと思います。

→アップダウンは見える場所、橋以外でも感じるようにしてペースなど調整を。

→下りの走り方は及第点。早く対処する

→給水でのムダのない動きをシミュレートするべき。落ち着いて、正確な動作を

→オフィシャルドリンクスポンサーがサントリーの場合、ダカラがスポドリ。1.2倍飲んでポカリと同じ塩分と心得る。


5キロ時計ラップ20:48

10キロ目の5キロラップ20:57

この5キロはムダ9秒。

目標ペース未満で走れたのはここと25kのみ。

→そもそもの走力不足を認識すること。

 

11キロ目〜15キロ目

4:11-17-14-15-13

まず新コース、創成川を北上ですね。

南7から北24までなので、この地域に住んでいた時の感覚で「こりゃ遠いぞ…」と思っていましたが、意外とあっという間でした。

ただ、平均ペースを4:12にするべく加速したつもりだったのに対して、さほど上がっていません。応援に思わずテンションを上げたんですが、むしろ冷静になろうとして、守りすぎたかなと思います。

給水手前でピットインジェルを半量摂取。15-20-25-30kでの摂取予定でしたが、早めに一口入れました。これは正解でした。

給水は10.8kのみ。スポンジをまず取りました。冷水ボウルに浸っているスポンジを掴み取るテーブルです。やや労力が。後は変わらず。

ワイナイナを抜いたのもこの区間。有名選手に会うとつい目で追ったり話しかけたくなりますが、これはロスなのでやってはダメですね。手前ですが道下美里選手も気になったので,これも反省。

→スポンジは冷やしたい部位を事前に決めておく。

→ジェルは「摂ってもタプタプしなさそう」なら積極的に摂る。常に早めに。

→第二の新川通こと創成川北上ルートはイーブンペースで刻みたい。

→毎キロでのラップ平均は確認しながら走り、全体平均との差異も把握しておく。

→有名選手を目で追わない…。

 


この5キロ時計ラップ21:10

10キロ目の5キロラップ21:19

この5キロもムダ9秒。左右に振る走りが減って、この辺りが平均的な「走行距離ー最短距離」(以後、蛇行ロス。42.195キロを超える部分)なのかもしれませんね。

時計ラップが21:00になれば計算通りですが、そこから10秒の遅れ。つまり、スタートロスと蛇行ロスの全ては取り戻せていないことになります。

時計に5キロラップが出るように設定すればいいのかもですが、平均ラップだけだと状況がわかりにくいですね。

→通過時刻で、目安を作っておくのもあり。


16〜20 キロ目

4:18-08-10-13-13

いわゆるコの字区間。短いと思っていたら長かったです。16キロラップが遅いのはきっと給水ロス。ピットインの残りを摂取したのと、12.5はエイドがないので、ここでしっかり取ろうとした、はず。確実に取ることを優先したので量を増やしたわけではないですね。その後は取り返そうとして、疲れて、という流れ。

それでも安定して4:12辺りで走れていた気がします。楽、とまでは言いませんが激しい苦しさではないです。

気になったのは左ふくらはぎをやや攣り始めた感覚。走れなくはないですが、奥の方に違和感。もしかしたら富士登山競走の時の足攣り=微細な肉離れが残っていたのかも。

→足攣り後は必ず整骨院で施術を受けておく。


この5キロの時計ラップ21:02

20キロ地点までの5キロラップ21:09

その差7秒。ここの蛇行ロスは悪くないですね。かなり周りが広くなってきて余裕を持ってコース取りできるようになっています。

なお20kエイド手前でマグオンピングレ。足攣りに対してマグネシウム&カフェインで対応、したつもり。

→給水ロスは最小にしたいが小さな遅れを取り戻そうと無理はしない。

→蛇行ロスはシビアにきいてくる。左右に振る走りはできる限り忌避すべし。


21〜25キロ目

4:10-9-11-10-14

まるまる新川通の区間です。ここのブラス応援が心地よく、いいイメージで新川通に入れました。

しかし、今回のレースでの大ミスの一つに気づきます。「1キロ毎のフォーム修正」ルールの失念です。

大会はどうしても普段と違う環境であったり、思わぬハプニングがあったりするので、距離表示を見たらフォームを直す、という自分ルールを課しているんですが、不安や焦り、キツさなどですっかり忘れていました。

慌てて、

骨盤前傾…骨盤のみを適度に前に倒す

胸の張り具合…肩を引き、自然な前傾に

軸のブレと腕振り…前傾に合わせて軸に反発が伝わっているか、バランスは取れているか

腕の引き方…腕振りの位置は適切か

骨盤のひねり…腕振りに合わせて骨盤が自然に回転しているか

膝の軌道と親指の向き…2軸が保てているか、母指球が使えているか

といつもの項目を点検。すっと走りが軽くなります。疲労や攣り感の原因はここか?という感覚も。ペースもそれを表していて、これまで頭打ちを感じていたペースがこの辺りを境に改善。非常にいいテンポで刻めています。これは非常に痛いミスですが、気づいて直せたことはまだ救いでした。

ハーフでの公式時計が10:00:31。

30秒取り戻しているんですが、30秒遅れていると勘違いして加速。4:09は上げすぎだったかもしれません。

もう一つのミス。25kmエイドでジェル補給忘れ。摂ったつもり、という1番悪いやつ。

→「1キロ毎のフォーム修正」は普段のペーランでもやる。

→むしろ、フォームは体に叩き込む

→通過予測時刻でのタイム管理。

→ジェル摂り忘れを防ぐ方法を考える

→むしろジェル不要な走力、脂肪代謝能力を。


この5キロ時計ラップ20:54

25k地点までの5キロラップ20:59

蛇行ロス5秒。直線のみですから、給水ロスと追い抜きによる純粋なロスということですね。

このレースで1番輝いていた区間でした…。


26〜30キロ目

4:14-10-11-10-17

25kmにもなると給水では水かけ手順は安定してきましたが、そもそも給水それ自体がストレス。キツいなぁ、でも寄らないとなぁ、という後ろ向きな感覚に。

スポドリ=ダカラのテーブルが少ないのでミスできないし、呼吸のせいでうまく飲めない。

また追い風に期待しましたが、むしろ無風に感じて暑いだけ。

この辺りでペースを犠牲にしてでも給水を増やし、ジェル忘れに気づけていれば結果は変わったなと思います。

30kmエイド手前でメダリストジェルのコーヒー味でラスト(と思い込んでいる)ジェル摂取。が、これは噛まないと飲み込めない硬いゼリー。大失敗です。ほぼそのまま廃棄。

この5キロ時計ラップ21:02

30キロ地点の5キロラップ21:09

蛇行ロス7秒。直線なので悪くないですね。

ハンガーノックの予兆に敏感に。むしろ、先回りして摂取を。

→後半は脱水していると仮定して、スポドリに喰らいつく。

→ゼリータイプは無理。300円くらい気にせず事前確認を。


31〜35キロ目

4:14-17-12-13-21

明らかに苦しさが増します。

柴又では、これは何が苦しいんだろうと考えて、足も平気、呼吸も平気、行けるぞ行ける!なんて鼓舞していましたが、じわじわとキツくなったのでそれに気づけず。

実際は糖の枯渇=ハンガーノックの予兆と脱水でしょう。フォーム修正もそれどころではなくなった気が。

グロスでのサブスリーは難しいなとボンヤリ考えましたがネットでの達成は諦めていません。仲間からの応援もあり、気力を振り絞り始めます。

→苦しさの原因を冷静に捉える。

→気力を振り絞る前に知恵を振り絞る。

→そもそも走力の問題。

→糖の枯渇は全体的な戦術失敗の元。


5キロ時計ラップ21:17

35キロ地点の5キロラップ21:26

蛇行ロス9秒。コーナー二つと、本人の蛇行かも知れません。

→苦しいときのフォーム修正を。そのためには機械的なトリガーか、糖のキープを。


36〜40キロ目

4:24-30-19-09-02

手の痺れを感じますが何もできません。うしろポケットにジェルあるんですけどね。摂ったつもり=ないと思い込み。志村!うしろ!うしろ!

苦しさのあまりコバンザメ。速そうなランナーについたつもりですが、あまり速くありませんでした。ここはタイムロスという失敗だったのか、回復という成功だったのか。判断が難しいですね。実業団・プロランナーでも一度落として再加速という戦略がありますからね。ただ、悔しさの残る激遅ラップです。こんな数字、見たくないです。

焦りと根性で北大獣医〜般教あたりは最後の加速をした模様。というのもだんだん記憶が曖昧に。前回見たはずのセーコマがあったかな?学生さん、いたかな?そんなレベル。

→もしもの可能性でポケットは探る。

→あえて落とすなら、取り返せるペースに落とす。4:20に落とし4:10に上げれば同距離なら4:15でまとめられる。

→苦しくてもペースコントロールできる走力を。


41,42キロ目〜フィニッシュ

4:31-34〜2:33(5:18ペース)

もはや、覚えてません。YouTubeで誰かが撮ってくれている映像ではあごが上がり腕の落ちた恥ずかしいフォームでフラフラしつつも倒れるように走る姿が…顔はあほの坂田そっくり。(坂田師匠ごめんなさい)

フィニッシュ直前で倒れて運ばれたのはご承知の通り。いろいろな方に迷惑をかけただけでした。こんなランでのタイムに意味があるんだろうかと思いましたが、フラフラの私をフィニッシュさせてくださったランナーさんがいるんですから、それは戒めも兼ねて残さないといけませんね。

熱中症ハンガーノックも、突然くるわけではない。常に可能性を意識。

→自分の体調との対話を切らさない。

→記憶が飛ぶようなランは、そこから何のデータも教訓も得られない。ただただ痛々しく恥ずかしい。

→他人に迷惑をかけるランは2度としない。

→記録を抹消したい気もしたが、支えてくれた人のことや意味を思うと、それもしてはいけない。

 


ラストの残りラップ11:38

40ーフィニッシュのラップ10:30

→ズレが大きいのであまり意味はない。

→最終的に285メートル差。キロ4:15ペースで1:12の差。


救護テントに運ばれ点滴と大量のOS-1でどうにか動けるように。医師の診断では軽度の熱中症

その間、何度となく足攣りや全身の攣り。これは微差な肉離れとのことでダメージが飛躍的に大きくなります。2週間は引きずるダメージでした。

内蔵疲労も大きく。カリウム不足からくる消化能力低下が起きているとのこと。1週間近く苦しみました。これが肉離れなどの回復を遅らせるんですね。

熱中症ダメージは複層的にくる。肉離れやリカバリー遅延。最小化を考慮して行動。

電解質バランスの回復を最優先。札幌の美味しいものは我慢。

→アイシング不足。動けても、疲れていても冷やす。

→直後はプロテインよりアミノ酸スポドリリカバリーを。


まとめ

救護テントから出てきて大通り公園の芝生に戻り、なんでがんばれなかったんだろう、と暴れました。冷静になれば、なぜか、などという問いに意味がないことがわかります。

 

「がんばれなかったのはなぜか?」

から

「何をがんばれなかったか?」

へ。

 


この失敗レースの主原因を考えます。走力不足は所与として、

・久々レースの緊張感

・走り切れるかどうかの不安

・後方ブロックの焦り

というスタート前からの落ち着きのない精神状態。

→アップ不足

→フォーム修正の失念

ストライドの減少


この強い不安を解消しようとしたことでくる「これは涼しいに違いない」「脱水はそれほどではないに違いない」「給水は充分に違いない」また「カロリー・ミネラルは充分足りている」という正常性バイアス

→給水不足

→糖の枯渇


脱水や糖の枯渇といった体調変化への対応力の欠如。糖の枯渇からくる判断力低下という悪循環。

熱中症ハンガーノック


一言でいうと、

不安の昇華に伴う正常性バイアスで引き起こされた給水・補給不足」に集約されると思います。


がんばれなかったのは、

・不安を解消するだけの準備

・必要総給水量と一回あたりの目標給水量の計画

・キツい時でも優先してジェルを摂ること

スポドリ(というかダカラ)を全力で飲むこと

これらですね。


たらればを話しても無意味ですが、フォーム修正して9ミリだけストライドが伸びていればタイムは1分以上縮んでいたはず。ジェル取り忘れがなければ、ダカラの薄さを計算して多く飲んでいたら……やめておきましょうか。


達成できたポイントも、一応。

・2軸走法で4:15ペースフル完遂。

→新しいフォームでありつつ実測42.195キロ地点は2:59で通過できた。

・25,6度環境での自己ベスト

→暑熱順化のとりあえずの成功。

・苦しい状況でも心を折らせない

→諸刃の剣だが、プラスでもある。


いまだに悔しさが込み上げる北海道マラソンになりました。ですが、惜しいとは言えないなと思っています。惜しいのは3:00:42を切ってからですね。

サブスリー達成を42.195キロに例えると3.5は何キロ地点ですか?」とサブスリーランナーさんたちに聞いたことがあります。10キロ地点より前、が1番多い答えでした。今回の記録で、30キロ地点までは来た気がしています。

実は道マラ2019も失速レースになりサブ3.5に失敗。その教訓を活かして10月に松本マラソンではホイミンサブ3.5を達成できたという苦くも甘い経験があります。

今回もここで得られた知見を最大限に活かして、秋の大会での目標達成、そして、来年こそは夢の道マラサブ3を取りたいと思います。

 

待ってろ、おかやまマラソン、待ってろ北海道マラソン2023。