えびだい参戦へ
えびだい参戦はここから始まりました。
えびだい応援ラン
— RunTazzo @サロマ湖ウルトラ (@RunTazzo) 2022年5月29日
柴又100kに向けての練習でツイート、ブログ、リプで刺激してくださったWATARUさんへのお礼は謝辞ではなく応援で示したいと現地へ。
激コースに真夏の炎天下、極限のコンディションで闘う彼の勇姿に魂が震えた。なぜラストでここまでまた走れるのか。熱い1日となった。 pic.twitter.com/APFCrr5HMs
去年、初ウルトラとなる柴又100の余韻冷めやらぬ翌週、我らが兄貴、WATARUさんの応援に赴いた出雲の地。5月とは思えぬ日射と気温と湿度。完走率49%という過酷なレースで激闘を繰り広げる走りに魂を揺さぶられ、あれほど走りたくないと思ったウルトラに駆り立てられる…。
あれから、それなりに私も成長。新たに立てた目標、グランドスライム(ホイミンと一緒にサブ3、サブ10、富士登山競走完走)のウルトラの舞台として、無謀にもえびだいを選んだのでした。
練習編
コンスタントに月間300は走り込めているので、基礎的な走力は問題ないと考えましたが、ウルトラ経験が浅い私には計算できないレース。準備は入念にしたつもりです。
まず100kmのスケール感を岡山の人にわかりやすく説明するとこんな感じです。赤線がえびだいのコース。
岡山市内から空港へ抜け、賀陽町あたりから総社,倉敷に下り、福山まで走り抜ける、というと想像しやすいかも。
とにかく長い…。過去のウルトラ練習や柴又でわかっているのはハンガーノックの恐怖。食べられないと終わります。そして私の胃腸の弱さ。クリールか何かの記事を参考にインナーマッスルの補強をし、内臓を揺られないように少しでも筋肉武装。効いたのかな?筋肉量、去年より1キロは増えてます。
また去年の暑さを体感したので、今年はまず徹底した暑熱順化を図りました。
ヒートテック肌着にサウナスーツでラン。ふざけてますが練習としては真剣です。
これ、模様じゃなくて塩です。おかげかどうかわかりませんが、今年は曇りの天候もあり、暑さはほぼ感じませんでしたね。
また、WATARUさんご本人にえびだい攻略の鍵を直接うかがいました。アポとセッティングをしてくれたタコちゃんにも感謝です。彼にはお世話になりっぱなし…。
WATARUさんアドバイスの1番の要点は「下りのペースコントロール」。教えていただいたブログ資料を見ると、50kまでがアップダウンで、特にチェリーロードと原発ゾーンが2大アップダウン。この下りで調子に乗って飛ばすと後半に脚が終わるということです。
そのため、前半の起伏に対応すべく金山走のほか、起伏走を練習コースに多めに組み込みました。特に下りは徹底して刻む練習。意外と疲れます。
そして、最大の心配事であるカロリー摂取練習。柴又では胸焼けで補給できずハンガーノックがキツかったので、走りながら食べる練習も。おにぎり食べながら走ったり、井村屋のゼリーを大人買いしたり。食べながら50km走を4時間で走れたので、前半をキロ5.5なら走り切れるだろうと考えました。
それ以外はいつものルーティン通りにスピ練をジョグでつなぐだけでした。継続的に毎月のようにレースに出ているので、それ自体がロング走。ウルトラだからといって下手にいじったりしませんでしたね。故障回避最優先!
ギア
シューズ選びは最後まで迷いました。軽量なhyper speedやtartherが第一候補でしたが、下りのクッションが不安で結局、柴又と同じズムフラ4を選択。
いつもの五本指ソックス(ステップ)、シングレット(adidas)、マルチポケットパンツ(アスフォーム)、エアリズムブリーフの対暑対長距離防御の布陣。
細かいところでメガネバンド=メガネを上げるエネルギー節約なんてのも柴又の反省からです。
そして、我が相棒、ホイミン!224gに軽量化し、風船で形を整え、準備万端。100kmの旅。風船割れないで…。
補給戦略
戦略というほどのものでもないですが、胸焼けなどでジェルはそんなに摂れないと判断。
かごしまマラソンの参加賞(中止時の)ジェル2個とメダリスト、アミノバイタル、藻塩(ミネラル豊富なもの)をスタート時にマルチポケットに。シンプル軽量に振りました。エネルギーはエイドから摂るぞと。ジェルはおまけ程度に考え、その時あわなかったら捨てる覚悟。
51kmのドロップバッグには、メダリスト、マグオン、空ボトル、ツーランをユレニクイにセットしたもの。後半暑かったら、ユレニクイでボトル保持してこまめに水分摂れるように準備。
これだけです。井村屋シリーズも考えましたが、起伏走では軽量化を優先するために今回は見送りました。
また、これまでの経験から足攣りが怖いなと思うんですが、マグネシウムは下剤でもあるので下したときのロスが大きすぎると考え、マグオン、ツーランなどのマグネシウム系サプリは控え、代わりに低ナトリウム血症に対処すべく塩増量で臨みました。給水手前で塩を口に振り込み、スポドリで流し込む。この辺りはことぶき先生からのアドバイスですね。
今回、土曜日の食事は白米に絞りましたが、なぜかいつものように食が進まず、ガッツリ食べられぬまま夜を迎えます。これは計算外…。
会場へ
今回はReiさんが応援に来てくださるということで、その便に便乗させてもらいました。
土曜深夜に岡山を発ち、道中運転を任せて私は居眠り。スタート地点近くのコンビニで食事等を済ませて会場入りです。眠い…。
しかし、車の中に蚊が入ってきててんやわんや。蚊とバトルしてる間になんと左足を攣るという痛恨のミス…。
なお、当日の食事はおにぎり3つ。
プロテインドリンクで流し込んで完了。ちょっと少なかったかな。
スタート地点から1キロ手前の駐車場へ。
ことぶき先生がこちらに気づいて声をかけてくださり、チームウシジマのみなさんにご挨拶。牛嶋俊明さんと写真撮ってもらいました。FM岡山のパーソナリティで地元の有名人。おかやまマラソンでも毎年FM岡山代表?で走ってますね。サブ3.5ランナーでもあります。ことぶき先生、負けてますよー。
ことぶき先生はチームのみなさんと行動するようで、私は先に歩いてスタート地点へ。荷物を預けていると、スタート10分前アナウンス。しまった、駐車場でのんびりしすぎた笑
慌ててスタートブロックに向かうと、WATARUさんたちがこちらを見つけて声をかけてくださいました。その流れでそのまま前の方に入れさせていただく私。ありがとうございます。先頭集団に恥じない走りを誓います。
そして、WATARUさんへの憧れを捨てます。大谷翔平の名言のマネですが、その通りですよね。マラソンはスポーツ。あくまで競走。結果は結果。必ず勝って、お礼に代えます。
先週、柴又を完走したばかりのアトムさんにもご挨拶。強すぎでしょ笑 回復力ハンパない…
そして、TWAのまーくんも合流。キロ4でロケットスタートするようなことを言ってました。ついていかないよー。でも、後半で交わしたいなぁ。
スタート〜素敵な出会いと助言
そして、あっという間にスタート時刻。ギリギリまでシューレース調整。アップもストレッチもできてない!でも、飛ばさないから大丈夫かな。
目標レースペースとしては、前半は平均キロ5.5。30秒ずつ貯金をし、後半に使い潰してもサブ10できるという去年の柴又と同じプラン。コース、気温、ホイミンの負荷を走力アップ分で相殺できるだろうと踏みました。
見やすさ重視で西を上にしてます。コースはざっくりいうと島根半島を西に進んで出雲大社まで。まずは山越えゾーンへ。
スタート直後、WATARUさんたちと少しおしゃべり。その後で、Mさんという方から話しかけていただきました。
なお写真はレース後のもの。
目標を聞かれたのでこちらサブ10と伝えると、岡山のレジェンダリーランナー吉田さんからのアドバイスとして「前半キロ5でいけば、後半に少々ダレてもサブ10できる」というキツい助言を教えてもらいます。前半をキロ5。おう…。サロマ湖はその予定でしたが、この起伏コースでやるんかい…。
Mさんも同様にサブ10目標。ベテランランナーのアドバイスです。ここは乗っかってみることに。
2キロ目からのラップは4分台に上げます。
5キロほどでいざ、坂へ。これはGoogle先生のもの。
iPhone持参で走ったんですが撮影用ではなくて大会からロストに備えてとのことで念のため持参。なのであんまり撮影してません。
結構な坂でした。距離こそ短いんですが、5.5くらいにペースダウンさせられる斜度。
まだまだスタミナには余裕がありますが、息はあがってきます。
初めの峠はあっという間、すぐに日本海側へ。それからしばらく海沿いをラン。1番気持ちのいいところでした笑
メテオプラザという隕石が展示?されてる建物の近くで給水。ここでジェルを1つ。数年前の鹿児島マラソン記念品…水分が抜けてねっちょねちょ。味見だけになりました。悪くないんですが濃ゆくなりすぎててほぼ接着剤…。でも少しはカロリー確保。序盤に取らねばいつ取るカロリー。
ウルトラ須く序盤楽しむべし
この区間の景色は最高でしたね!
海の色が青い!
瀬戸内海とは違う深いブルー。複雑に入り組んだ海岸線。時折差し込む陽の光でまた色合いが変わります。写真なくてスミマセン。YouTubeにたくさん動画が出てるのでエントリー予定の方はぜひご覧ください。
アップダウンこそありますが、まだスタミナもあるので気持ちいいラン。周りのランナーたちも快調に見えます。エイドステーションに入ると、タコ!クラゲ!かわいい!がんばれ!と、期待通りの応援がかけられます。ありがとうございます!
21kmで、えびだいを代表する素敵エイド、イカの煮付けがある笠浦エイドステーションに到着します。もちろんホイミンいじりもしてもらえました。嬉しい!
イカの煮付け、爪楊枝が用意されてて食べやすい!…と思ったら、爪楊枝の先に3つもイカ…こんなに食べれないと思いつつ残すわけにもいかず美味しく完食。刺身でも美味しいイカを煮つけたんだなって感じ。美味い〜と感想を伝えると「きゅうりもおいしいから食べて!」そう言われると食べないわけにはいきません。予定外だがホイミンいじってもらってるし勢いできゅうりの塩揉み、うん、水々しい!
美味しい〜ごちそうさま〜と言ってさぁスタートと思ったら、味噌汁も勧められました笑
美味いんですよ、味噌汁。でも熱々。なかなか飲めない。もういいや、と時間かけていただきました。かなりのロスになりましたが、エイド満喫でした。こういう雰囲気、最高ですね!
そして、ごちそうさまでした!と走り出すと、いってらっしゃい!がんばって!と拍手!
このエイドステーションでのやり取り、見送りの声援が最後まで力になっていきます。
満腹チェリーロードへ
思いの外、ガッツリと食べてしまったのでキツいランになります。胃が揺れる…
走るパワーはあるんですが、胃を揺らしたくない。集中して安定したランを心がけます。この辺りはまだそれができてました。
また、ランチューバーmametaさんの動画で見た柴犬に会えました!YouTubeで見たものに出会えるのも楽しみですねー
ほどなくしてチェリーロードの看板。ここが噂の第一難関か!
たしかに坂です。しっかり登らされます。う、胃が重いぞ。息も上がる…大丈夫なのか?
柴又では50kmまでなんの息切れも苦痛もないランでした。しかし、序盤からしっかりキツいえびだいのラン。これで100kmいけるのか?
しかし、それを忘れさせる島根半島の美しい海岸線と日本海。時折の日差しが色の変化を際立たせていて、景色を見れば苦しさもしばし耐えられる…。そのうち徐々に満腹感もおさまり、どうにか復調。
峠を越えると長い下りへ。なるほど、坂が急というより、曲がりくねっていて、ここでペースを不用意に上げると膝がやられるのは確定的。しっかりストライドを落としつつ集中して小刻みにくだります。WATARUさんのアドバイスのおかげで安全なランができました。これは飛ばしたらダメなやつですね。事前相談しておいてよかった…。これはこのレースの大きなポイントでした。
石州瓦と港町と
いくつか小さな峠を越えつつ進みます。島根といえば石州瓦の屋根。衛生写真でわかるでしょうか。赤茶色の瓦葺き屋根の家々。海の青さと対照的でこのコントラストが綺麗です。
集落では応援をたくさんいただきました。この辺りで子供から
「ダイの大冒険のやつ!」と言ってもらえました〜。うんうん、たしかデルムリン島にいたきがする、ホイミスライム。よく覚えてたねー。今までにない声援にテンションあがります。
エイドステーションも、飛び込めば拍手とともに「タコ!クラゲ!」と笑ってもらい、「ごちそうさまでした!」に「いってらっしゃい!」と拍手と歓声。エイドが楽しみで仕方なくなります。そしてこの辺りで「スポドリとコーラの両方飲む」パターン確立。水分とカロリーを同時に確保!それはあたりだったんですがコーラのカフェインを甘くみていました…。マリンゲート前エイドで2回目のトイレ。トイレ遠い…。このトイレのタイムand距離ロスが後半に効いてくることに…。
また正確な場所は忘れましたが、ゼッケンを見て選手リストから名前を呼んでくださる応援もありました。これも嬉しい!…他の選手と重なってしまい、私は呼ばれませんでしたが笑
自然と人工物のはざま
少し開けた港町をぐるっと過ぎると道案内は山へ。大会最大の難所、原発ゾーンです。といっても150メートルくらいの登りなので名だたる山岳レースに比べたら低いんですが、ここまでハイペースで刻んできているので足は軋むしガス欠はこわい。ジェルは取り終わってまして、そこは順調でしたが、徐々に胸焼けが…。そのまま山に突撃です。
日差しがかなり出てきて、気温もムワッとした空気を感じられるほどに。山を駆け上がればもう汗が流れていきます。暑熱順化のおかげで暑さ自体はそれほどキツくないんですが発汗は怖い。
40キロ看板を通過する時、看板前でYouTuberと思しき方が超ハイテンションで撮影してました。フルだとなかなかお目にかからない光景。それにしてもあんなハイテンションで100km大丈夫なのかな。
徐々に大きくなってくる島根原発。異口同音にみなさんその美しさを讃えていますが、たしかに美しいです。人工物と自然とのコントラスト。アートとネイチャー…あれ?
そんなことを考えているうちにどんどん原発が大きくなってきます。思わずシャッターを切ります。
プラントマニアな方には堪らないんじゃないでしょうか。しかも、スッキリしたデザインで、なんていうか近未来感。我々が走る道路には原発側に厳重な侵入防止の金網やら監視カメラやらがあって、その雰囲気も独特。たしかに、ここは走る価値あり。
車も来ないし、景色はいいし、アップダウンもいい感じなので、近所に住んでたらランコースにしたい場所ですね。
峠を越えたあたりで、カメラ撮影してるランナーさんに声かけてもらえました。うれしいですねー。ベホイミのリクエストをいただいたので、ベホマ叫んでおきました笑 私もすでに体力が減ってましたが、ホイミいじりをしてもらって体力回復!
Reiさんからの最初の応援があったのは…どこだっけ?こちらからは51km以降でいいから応援ください的なことは伝えていたんですが、それより先に応援していただいた気がします。そして、まーくんがかなり先であることを知ります。まぁ仕方ない。
50kmまでだいたいキロ5キープ成功。Mさんからのアドバイスをきっちり守りました。さぁ、後は逃げ切るだけ。
原発と海岸線のエリアを下り切り、平地をしばらく走れば51km、鹿島エイド。ドロップバッグを受け取れる最大のポイントがきます。
Reiさんが待ち構えてくれていました。遠征で仲間からの応援はホントうれしい!起伏ゾーン高速ランの疲れが癒やされますね。
ドロップバッグを受け取ります。日差しはありません。気温も想定より低い。暑さも感じなくなりました。給水はエイドだけで足りそう。ユレニクイとボトルで走るのはキャンセルし、軽量化を選択します。ジェルだけポケットに詰め替えて、後半に備えました。
まーくんは20分前にここを通過したとのこと。焦っても仕方ないので、トイレを済ませ、アクエリアスとコーラをガッツリ飲んで再スタート。足が固まる前に走り出します。
胃痛と足攣り
順調にきたつもりでしたが、ウルトラは甘くない。気をつけていたはずの下りなのに胃の上部が痛む。一歩ごとにズキズキがやってきます。食べすぎと下りで揺さぶっちゃったからかな…。
また、左脚ふくらはぎの攣りが断続的に。ストレッチをかけつつ走ってなんとか抑える走りになります。その度に落ち着くんですが、何かの拍子にまた攣り始める、の繰り返し。この時はまた弱かったですが、徐々に悪化していきました。
コースは田園地帯に。後半は概ねフラットなんですが、完全フラットではないんですね。55kmくらいには高低差50mくらいの峠あり。数年前のコース変更で楽になったらしいんですが、以前はどんだけハードコースだったんだよ…。
そして、途中、何度か抜きつ抜かれつだった女性ランナーさんに完全においていかれます。ゼッケンナンバーから見て歳上さんだし、女性だし、この人には先行していけるだろうと考えていた自分を恥じました。どこかで並走した時にホイミンに「すごーい!」と声かけまでしていただいての惨敗。むぐぅ…。恐れ入りました。
各所にボランティアスタッフさんたちが立っていてくださり、道案内が完璧にされているのは安心ポイントでしたね。某往還道のマラニックでは道が複雑な上に案内がなくて、ロストのリスクと戦うこともふくめてレースでしたが、えびだいはロストのしようがないくらわかりやすい。
しかも、信号が赤なのに車を止めてランナーを走らせてくださったりも。あ、これはホントはダメなやつ?とにかく、街全体でランナーを迎えてくださっていて、感謝でした。
リレーチームとの共走
下ったらすぐに宍道湖かと思ってましたが、実際は70kmくらいまで田園地帯と林や丘のようなところを走るんですね。
足攣りとの闘いは断続的に起きるし、胃痛も続く。意外と早くキツいゾーンが来ました。アップダウンもないわけではなくて、岡南大橋くらいの起伏は普通にやってきます。
そんな時、力になったのがチーム部門のリレーメンバーのみなさん。えびだいのリレーは、どこでも何度でも交代オッケー。なので、結構ひんぱんにリレーチームのみなさんが路上で待機してるところに出くわします。そして、そのみなさんが、ソロの部の我々をガッツリ応援してくださるんです!さらにリレー組は元気なのでどんどん追い抜いていくんですが、抜き去り際にも一声かけてくださる方がたくさん。
なので、人が住んでないようなところでも、頻繁に声援をいただけました。もちろん、スライム!クラゲ!とウケてくれるのもうれしいです。
それでもどんどんキツさは増して、胃痛は続くし、コーラ飲みすぎてトイレが近い…笑
過去最高回数のトイレ立ち寄りマラソンになっていきます。トイレが遠いと、距離も時間もロス。しかも、お腹を汗冷えさせたのか、エイドでトイレ直行の場面も…。トイレでホイミンに声をかけてくださったリレーの方、ありがとうございます。反応悪くてすみません。腹痛くて…。
やがて、目の前に宍道湖が広がります。
神様との邂逅としじみ汁
足攣り、胃痛に加えて腹痛も抱え、ペースはガタ落ちでした。やっぱりウルトラは厳しい。70kmの壁を痛感。というか、70よりずっと前に壁きてた気がする…。
心が折られ始めます。まーくんに追いついてやるぞという意欲…ゼロ。こんなペースダウンしてたら追いつくわけないじゃん失笑
そんな時、Reiさんが沿道に現れます。キタコレ!うれしいエアサロで気分転換!仲間の応援のありがたさが、回を追うごとに倍増していきます。
そして、「まーくんと10分差まできたよ!」…まじか。
私もペースダウンしたけど、まーくんも…。
ここで、私の競争心が燃え……上がらなかったんです泣
キツくて、前を追う気力がわかない…。胃が痛くて走れないと泣き言を言います。
ホイミンサブ10できたらそれでいいじゃん…。ウルトラの怖さは、心をへし折られること。思い知ります。情けないけど、これが実力。追いたいけど、胃痛腹痛足攣りを言い訳にして逃げました。
再スタート。一畑電車を横目に宍道湖沿いを進んでいくと75kmエイド。あ、正確には74.5kmくらいです。とりあえずコーラとスポドリ。そしてトイレの3点セット。さて出発するかとエイドを見渡すとみんななにかすすってる…しじみ汁だ!
これだよ、これ。えびだいと言えばしじみ汁!たまらずいただきます。
うまいっ!!!
しじみがたっぷり、これでもかと入っていて、エキスが溢れたスープが疲れた体に染み渡る〜。まさに世界一美味いしじみ汁!
感動していたら、隣のランナーさんも同様にしじみ汁飲み干し中。ふとゼッケンを見ると、栄光の青ゼッケン…神様!=えびだい完走10回を超える猛者。
思わず話しかけました。目標タイム、サブ10。決めた。神様についていこう。先にエイドを発った青ゼッケンを追います。これなら追いつける。
頑張るまでもなく神様が信号にかかり追いついたのでここからコバンザメ作戦。
しかし、神様は楽しくおしゃべりしてくださいました。
神「どちらからいらしたんですかー?」
私「あ、は、はい…お、おかや、やま」
神「そうですかー、街中ですか?」
私「あ…あ、はい、おか、おかやま、し」
神「おかやまマラソンありますよねー。私は広島なのでフルの大会が…」
つまり、神様、余裕でおしゃべりされるんです。が、私はもう限界ギリギリ。しかも、足がかなり強く攣り始め、ランなのか高速ウォークなのかわからない、ストレッチかけまくり走法でしか走れない状態に。回復を信じて走ります。それでも神様のキロ5:10-30に追随したおかげで、ある意味かなり楽に距離稼ぎさせてもらいました。
信号にかかるたびにストレッチをしているうちに、どうにかまた通常のランに戻ります。
ホイミン巨大化現象
80km手前で一畑電車の踏切にかかります。長時間止まるのって怖いんですよね、足固まるから。でも、今回は動きました。助かった。
踏切を渡ったエイドでも、スタッフさんからホイミンいじりをしていただきます。何のキャラ?ドラクエなんです。そんなやりとりをしていると、写真を撮らせてくれと言われ、ポーズ撮ってパチリ。ついでに後ろ姿もと言われてパチリ。こういうの楽しい笑
しかし、このエイドを抜けてからがキツかった…。今レース最大の難関、逆風の直線道路。
ごめんなさい、本当にごめんなさい。神様を風除けにして耐えました。
だって、頭の上のホイミンが巨大化したんだもん。いや、本当に巨大に感じてました。
感覚としては
なんか、頭の上から大きくはみ出した感じなんです。正面から風を受けると体が起きてしまい、後傾気味に。それを戻そうと体幹に力を入れる、の繰り返しで、ブレブレの体がそんな錯覚を起こしてました。
そのため、この区間のキツいこと。愛想を振りまく余裕も潰えます。スタッフのみなさん、無愛想な仮装ランナーでごめんなさい。
来たぜ、出雲大社
90kmエイドに到着。もはや5km走ったらトイレ休憩andコーラアクエリ、の繰り返しです。ここでもReiさんが応援してくれました。持つべきものはチームメイト。止まるわけにはいかない。
ここまで神様と抜きつ抜かれつだったんですが、ついに置いていかれます。「5キロ30分を死守ですよ!」とありがたい言葉をいただいていたので、それを守りつつ走りだします。足が重くてペースは上がりません。信号で止まると、走り出す時に気合が必要に。喝を入れてスタートしないと動けません。
この辺りでは、まだサブ9.5が見えていました。しかし、それを新たな目標にするだけの気力はありませんでした。サブ10できればそれでいい。今思えば心が折れてましたね。
95kmエイド。頭の上のはタコ?クラゲ?と聞かれるので、どちらでも!と答えます。そして、「あと5kmだけですよ」との声援に「まだ5kmもある…」と嘆きぶし。
最後のコーラを飲んでスタート。送り出しの拍手が嬉しかったなぁ。
島根ワイナリーが見えるともうラストです。Reiさんからの声援を受け、最後の力でラン。サブ10は確信します。
出雲大社が右手に見えてくると最後の激坂。Reiさんと合流。最後、一緒に走ってくれます。戦友との並走はうれしいですね。
出雲大社の入り口を左に折れると参拝客で賑わう参道。この辺りで疲れが吹き飛んでいきます。
そしてReiさんに、フィニッシュの動画か写真を撮ってほしいとお願い。私はビクトリーロードをダッシュ。なんと、一人一人にゴールテープを切らせてくれます!
100km走ってきて、このフィニッシュは嬉しすぎる!そして、名前が呼ばれます。きた!
ゴーーールー!
お?!見なかったことにしましょう。
しかし、なんとライバル?であるまーくんが撮影してくださってました。
私のフィニッシュと絶叫はまーくんちゃんねるにあるので、ぜひご覧ください。
えびすだいこくマラソン100km 2023 5/28 サブ9.5達成!! - YouTube
記録9:32:12
ホイミンサブ10、達成です!
フルマラソンでは味わえない、3桁キロを走破した時の爆発的な達成感。こうやって人はウルトラにハマっていくんだろうなぁ。
えびだいはメダルもタオルもありませんが、この達成感だけで十分だと感じます。
お礼を言える幸せ
フィニッシュ後、引っ張ってくださった神様やアドバイスくださったMさん、そしてまーくんにお会いしてご挨拶。みなさん、ありがとうございました。
会場では縁日みたいな感じでドリンクや甘味が振舞われています。フィニッシュのご褒美、かき氷を美味しくいただきました。スタッフのみなさん、ありがとう。
その後、フィニッシュゾーンでWATARUさんやアトムさんを待ちましたが、やはりここは応援に行かねば、と駐車場まで移動し、車で逆走しつつランナー応援。死闘の苦しさがわかる分、力が入りました。しかし、見つけることができず…どこかですれ違ったか、残念。お礼はまたの機会に伝えることにします。なお、お二人とも見事に完走。アトムさんの強さに驚愕です。
ことぶき先生は、95kmすぎで時間切れとのこと。
ウォークから戻し始め、ジョグ1kmを入れ、今日はバルぺーサー。4:45くらい5本。
— RunTazzo @サロマ湖ウルトラ (@RunTazzo) 2023年6月2日
昨日は超音波の施術うけにことぶき整骨院へ。えびだい95kmDNFだった先生。
“完走できるという自惚れがあった。口を開けば泣きそうだったが泣いていいほど練習できてなかった。”
と語る横顔、ちょっとかっこよかったな。 pic.twitter.com/GEuhKgQn5k
来年の再挑戦に期待しましょう。
おわりに
えびだいは、聞きしに勝る楽しいレースでした。ラン友さんがたくさんいるだけでなく、参加者全員で励まし合いながら走破を目指す雰囲気があって、途中でみなさんからかけていただいた声援がとても大きな力になりました。
フルマラソンでは応援のおかげで速く走れたりがんばれたりするわけですが、私にとってはウルトラは応援があるから投げ出すわけにはいかず走り切るしかなくなる。そんなレベルで応援が必要です。気を抜くとあっという間に減速、足を止めてしまうような状態で、かけてもらう声援のありがたさを痛感して走りました。
一方で自分の弱さも痛感しました。驕りは強がりであって、弱さの表明。謙虚になれるだけの強さを身につけたいです。
謝辞を。要所に立っていてくださったスタッフのみなさん、エイドで歓迎と送り出しの拍手と声掛けをくださったスタッフのみなさん、沿道で笑顔で手を振ってくださった地域のみなさん、ありがとうございました。島根半島が魅力の詰まった場所だということ、感じとりました。
参加したランナーのみなさん、声をかけてくださり、また、走りで刺激してくださりありがとうございました。みんなで達成したえびだい完走です。またお会いしましょう。
おかげさまでホイミンフルサブ3、ホイミンウルトラサブ10を達成することができました。残すはホイミン富士登山競走完走。今年、グランドスラムを達成し、来年はホイミンとともに富士山頂でグランドスライムを目指そうと思います。できっこない、はもう言わない。
さて、次はサロマ湖ウルトラ。目標サブ9。納得のいくレースをするぞ!