紙ペーパー師匠のぺらっぺらジョグ日誌

ホイミンとマラソンするおっさんの日記

防府読売マラソン2023 sub10000への苦闘

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防府読売マラソンの備忘録です。

1年前の参戦記って読み返すとほぼ他人なのでできるだけ詳細に思い出して書いておきます。

去年の防府読売にて

昨シーズンの大目標サブスリーを達成し、厚底カーボンプレートシューズ解禁。ことぶき理論とたこちゃん追随で叩き出したタイム

2:47:18(陸連公認2:47:33)

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満足している自分がいました。

これが生涯最高成績でいいんじゃ?

だって「市民ランナーとしてマラソンやってました」と胸張って言える大記録です。

サブスリーくらいの走力は維持しつつ、あとはもうファンラン転向でも悪くない…

 

防府読売の結果ツイートで、こんなやり取りがありました。

仮装や賑やかしに逃げようとしてますね。

でも、しょうたさんははっきり「45分切り」という目標とトレーニング方法のヒントをくださっていました。まさかこれが一年後の壮大な伏線になろうとは。

 

そして防府の記録を分析する中、あることに気づきます。

2:47:18=10038秒。

1キロあたり1秒削れば9996秒

…桁が変わる。

 

サブ200(3:20)、シュガーカット(3:10)、サブエガ(2:50)などフルマラソンの区切り表現数あれど、桁が変わるものは他に聞いたことがない。

2:46:40=10000秒を切り、

「桁違いの速さになっちゃいました。テヘペロ」ツイートをする。これは面白い。

そして、勢いに乗り初出場の別大でしょうたさんの予言通りサブ45とか?

そんな遠大にして無謀な目標を立てました。

シャレのためなら命も削る…

 

長期プラン

2023年シーズンはまずグランドスラム達成が最大目標でした。できればウルトラサブ9、富士登山競走サブ4を決めて「真・グランドスラム(自称)」としたい。

そのため前半戦はこっちに集中。えびだい含めてウルトラに富士山ですから脚作りと捉えます。

そこからスピード持久力に切り替えて、道マラサブスリーを鮮やかに決める。おかやまマラソン含めたミニレース群を🐮ラン。これはおふざけではなく、VFN%2でのフォーム作りと筋トレを兼ねる。

そして、ラスト3週間で仕上げて防府でサブ10000。その達成にむけてきれいなプランに思えました。

 

自信喪失

果たして富士登山競走までは順調そのもの。

ホイミンサブ10、サロマ湖サブ9、富士登山競走サブ4と3連続目標達成。

勢いに乗って、道マラサブスリー!のはずが暑さ対策ばかりに気を取られハンガーノックで大撃沈したのはご存知の通り。一年かけて覚えたのは「ペースダウンして救護室直行」という情けない結果に。

これはショックでした。120%サブスリーで、あわよくば相木さんのコース記録を抜くつもりでしたから、まさか15キロ失速での撃沈に終わるとは…。ペーラン以下。言われた暑さも内地に比べたら大したことないのに…。

あれだけ走り込んで、準備して、それでも走れないのかと、走力に不安を感じます。あれはまぐれだったのか。

グランドスラム達成してるんだし、走れるでしょ?と言われるんですが、タイプが違います。ウルトラは省エネと代謝レース、富士登山競走は坂力&山力。対してフルマラソンはスピードレース。3割30本と30盗塁は違うんです…

 

レーニン

1年後の北海道マラソンサブスリーを達成するためにも月間走行距離をそれまでの300kmから400kmに引き上げることを決めました。

ただ、やみくもに100km増やせば故障するのは確実です。アップでのウォーキングやペースの遅いジョグなど、比較的負荷の低い運動で距離を伸ばすことにしました。こうすることで足を作り、スピード練習にも対応しようと考えたんです。

既に決めたレース計画を変更するわけにはいきませんから、牛コスプレでのレース参加は継続しました。大阪マラソンでの牛コスでのサブ3.5達成以降、牛コスは相当程度前腿の引き上げが鍛えられるということはわかっていました。

ですから、ここから先の牛レースで前腿の引き上げをトレーニングし、これによって厚底カーボンプレートシューズによる走行効率の引き上げが可能であると踏んだのです。

特に、腕振りがうまくできるようになると、牛フォームと人間フォームが同じになりました。人間フォームは少々崩れてもゴリ押しすれば走れますが、牛はフォームが多少でも崩れたら一気に失速するのでより集中が必要。これが良いトレーニングになっていきます。

 

具体的にまとめておきます。

9月はタバタプロトコルでの坂ダッシュやインターバル、ガチユル、金山ダッシュ、金山バルなど、高強度でのスピ練をポイントにしつつ、チーム練でのロングを織り交ぜて、充実したメニューをこなしました。

10月は、牛レース月間。

吉備高原ハーフ95分 キロ4:30

蒜山高原10km 42分 キロ4:13

浅口マラニック27km 3.5時間

と、うしコスでのハード走を中心にして、ジョグでつなぐ流れに。

その後で、おかやまマラソン前に高強度のレースペース走を予定していたのですが、膝の違和感から結局実施せずでした。

おかやまマラソン 3:50 キロ5:24

で、牛シリーズ完了。

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ここで、ズムフラでおかやまマラソンを走ったことぶき先生とまたまた雑談で盛り上がります。カーボンプレートの反発を活かした走りとそこへ至るトレーニング談義に花を咲かせ、その見地を得ました。

 

11月の残りは、金山ダッシュ、金山走、閾値走をメインにして本番ペースをイメージしたランを中心に組み立てました。ズムフラで走る時は新ことぶき理論を意識してラン。

たた、情けないことに去年の練習レポートを取り出し、去年のメニューを踏襲するという超守り調整をやってしまいました。もちろん新しい取り組みや強度アップはあるんですが、確実に去年と同じパフォーマンスを得たくて、攻めのトレーニングは封印。なるほど、人はこうして革新力を失うのかと納得…。

そのため結局11月も高強度のロング走は見送りに。かわりにガチゆるを入れますが、時計なしで3'10-15くらいを作ったつもりが3'25"。2本目必死に走って3'22"。ズムフラなのにこのタイムしか出ないの?

直前になれば何もできませんから、練習内容には不安を抱えたまま、ラスト1週間へ。

 

1年ぶりのスーパーカー

VFN%2はSTEPの開店セールで買ったため格安でしたが、今買うとなればVFN%3になって超高額シューズ…。怖くてなかなか履けません。しょうたさんからは「VFN%2で走り込めば」というヒントをいただいていたわけですが、練習は薄底、たまにズムフラ。実際に履いたのは大会4日前の水曜日という…。

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ただ、1年ぶりのスーパーカーは違和感そのものでした。こんな乗り込みだっけ?反発だっけ?スイートスポットが違うんです。水曜日は試し履きで接地感やスポットだけ確認して終了。不安レッドゾーン。

翌、木曜日にズムフラで12kmジョグ。ここで、VFN%2のつもりでフォーム確認しました。つま先あたりの感覚がまるで違うんですね。また足首の締め具合も。「これがVFN%2ならこの辺りに接地して…」そんな感じでエア・VFN%2練習…貧乏くさい…

そして金曜日。ファイナル練習で再度リアルVFN%2を履きます。接地、乗り込み、反発、足の返し、膝…と確認。ことぶきフォームのポイントをおさえつつ、一歩一歩確かめるように走りレースペースくらいを作ります。こんなもんかなと走って時計を見ると…

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3'39"からの3'22"…。このシューズ、バケモノか。

脱力しながらの確認ランなのに息もそう切れずにこのタイム。さすがスーパーカー。履くだけで爆上がりですよ。走力上底シューズ…。

これで不安もかなり吹き飛びました。練習内容の不足分はVFN%2がなんとかしてくれるんじゃないかな…。

 

カーボローディング

道マラでのカーボローディング不足による失速に恐れをなし、今回は金曜日から卒なく食べました。小麦カットは封印です。

基本は塩ご飯にダシうどん。塩は瀬戸のほん塩。ミネラル豊富なんです。岡山産。うどんは冷凍ですけどレンチンでサクッとおかわりできます。

加えて、ドンレミーアウトレットのスポンジ。

マイプロ黒糖ミルクティー味にさらに黒糖を入れ、さらに豆乳ラテに。

これを金・土のメインに据え、おやつに

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マリオなリゾットで無限1UP

などなど。とにかく食べまくりました。

 

防府

土曜の仕事のあと、車で向かいます。

車の中でもおにぎりやらパンやらカステラやらむしゃむしゃ。ドリンクの代わりにinゼリー(っぽいドラッグストアの廉価ゼリー)とプロテイン

そして下松サービスエリアで車中泊です。フィットだけど小柄で良かった!

これまで「びわ湖、サロマ湖、富士山」で車中泊グランドスラムは達成済み。ここで好記録を残して真・車中泊グランドスラムにグレードアップしたいですね。

翌朝はおにぎり2個にパン2個、まんじゅう、ゼリー2個。スタート時刻が10:40と遅めなので朝ごはんもゆっくりで大丈夫。6時過ぎに出発して、7時にはソルトアリーナ到着。

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開場が7:30なのでそれまでに車の中でお着替え完了。今年はとにかく早く行動です。
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それでもこんな行列。みなさん、チームの場所取り担当なのかな。
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体育館は、いい場所をガッツリ確保。空いてるトイレ直行。そして、るーさんを待ちつつ、出走準備です。

 

レースプラン

さて今回のレースプランです。今年も3案準備。

A…安全プラン

自己ベスト2:47:18を切るプラン。

キロ3'56"で巡航すれば達成。

去年より1秒速ければいいんですが、同じタイムを出せる自信も保証もありません。道マラ失速の嫌なイメージを払拭して確実に達成したい。

 

B…凡庸プラン

サブ10000秒プラン。2:46'39"目標

混雑や距離ロス、失速も視野に、レースペースは3’54”に設定。→5kmラップ19’30”

距離ロスを10kにつき15秒入れると
10k-39’15
20k-1:18’30
30k-1:57’45
40k-2:37’00
残り2.2kmが4’20”に落ちても2:46’32”
同ペース維持なら2:45’35”
スタートロスを頭に入れておいて、グロスでも達成できるように粘りたい。大本命。

 

C…チャレンジプラン

プランBペースより2秒速いペース。

3'52"で巡航し、スタート&距離ロス込みで

10k-39’00
20k-1:18’00
30k-1:57’00
40k-2:36’00

残り2.2kをキロ4で2:44'48"

夢のサブ45プラン。

しかし、これは別大用だと考えていました。


ギア

シューズ…VFN%2

一年ぶりの登場となるNIKEの憎いやつ。

高級スーパーカーです。私にとっては履くだけで速く走れる夢のシューズ。

なお、予備としてhyper speed2も持参しました。


ウェア…adidasシングレット

今年は気温も高く、風もない。暑さ対応です。


パンツ…アスフォームのマルチポケット

下着…エアリズムブリーフ

時計…EPSON J-300

アームカバー…NIKEに代わってワークマン

手袋…軍手。使い捨てました。

メガネバンド…汗でズレないように。メガネを直す動作すらキツイですから。

レインコート…保温のために上に羽織っておき、スタート時に廃棄。

ジェル…アスリチューンのみ。

味と食感、飲みやすさでこれにしてます。

ぶどう味2、オレンジ1、コーヒーチェリー2。

セロテープによる開けやすいandゴミでない工夫をしました。

計525kcal。プランCに合わせます。

またOS-1パウダー、芍薬甘草湯を持ちました。足攣り対策ですね。

 

スタートまで

レースプランの確認やら、ギアのチェックしている時にkenさんの到着に気づきご挨拶。レース前の朝に10km走してるツワモノ…。レースペースが近いのでどこかで絡めるかもという期待もわいてきます。そして、今回の防府読売の目玉企画?名刺交換!

ランナー全員に名刺が配られ、交換できるという愉快な交流プロモーション。いろいろ考えてくれますね〜。こういうのを楽しめる人間でいたいですね。

そのkenさんの紹介でODさんともご挨拶。おかやまマラソンなら優勝も狙えちゃうレベルのランナー。ゼッケン2桁だよ!サイン入り名刺をいただきました!

その後、るーさんたちと合流。ひゅうまさんたちともお会いでき、楽しく名刺交換会。星飛雄馬じゃなかった笑

速効元気でカロリーを補いつつ、ストレッチやらなにやらしてるうちにスタート時刻1時間前。貴重品を預け、体育館を出ます。

今回はリユース可能な貴重品預かり袋でした。エコ!

 

アップ

防府はサッカーグラウンドがスタートブロックと並んでおり、人工芝でスタート直前までアップできます。

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右手が選手控え室のソルトアリーナ。

めちゃくちゃ楽な動線です。

アップに向かう途中でしょうたさんにご挨拶。しかし、レース直前です。集中を乱してはいけないので、挨拶だけ。

ウォーク1km。自衛隊音楽隊によるクリスマスソングを聴きながら。腕の動的ストレッチも。

静的ストレッチで腓腹筋、ヒラメ筋、大腿四頭筋,ハム、腸脛靱帯など。

動的ストレッチはニーアップ、サイドリフト。

陸上部のアレ。

ジョグ1kmほど。軽めのws。

仕上がったところで、ゆかさんから声をかけてもらいました。エール交換。この時は、目標45分切り?と聞かれてムリムリと答えました。まだ不安の方が強かったですからね。

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それにしても防府スマホ持って走るってすごいな…ついでに自撮りの時はスマホを横向きに持とうよ…笑

なお、今年から防府読売マラソンはレース中の撮影は不可になりました。名だたるランチューバーの皆さんが軒並み「映像なし」になってるのはそのためです。

最後のトイレを済ませたら整列。

【スタートライン】

招待

エリート

151〜300

301〜450

451〜600←ココ

601〜750

スタート直前にレインコートを廃棄。11.8度、北北西の風3メートル、くもり。やや気温が高いことを除けば、かなり良好なコンディション。不安の中、スタート時刻を迎えます。

 

スタート〜10km 快調すぎる出だし

スタートロス9秒でゲートを出ます。

去年より配置が自然で、スルスルっと加速。

気持ちよく走り始めます。

速やかに3:54に乗りたいと時計を見ると3:30。慌てて力を抜きました。ナチュラルに減速。

さすがエリートレース。スタートしやすいですね。1キロ目3:51。やや速いかなと思いましたが、足に任せます。この数字が今回のキーになっていきます。

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ブリヂストン工場前をぬけ、3キロで左に折れます。そこからぐるっとまわって4キロで初めの給水。すでに発汗を感じます。しっかりスポドリ給水。スポンサーはダイドー。miuですね。

ややキツさのある走り。まだ脂肪燃焼不十分なんだろう、楽になるさ、と言い聞かせます。MAZDA工場に向かう手前で5キロ。時計で19:17、公式ネット19:28。3:54ペース確保。

そのままスタート地点に戻り8キロ。この給水手前でジェル。アスリチューンぶどう味投入。早めの補給です。おやつ気分でいただきます。

スポドリでスッキリ。

9キロくらいで北方向に折れると向かい風気味に。うまく集団走で抜けます。

次の左折前で10キロ。

時計で38:28。

公式グロスで39:00。

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なんとCプランと誤差ゼロ。

ただ、3:40台が3本あり、さすがにキツさがあります。いつ失速するかわからず不安も抱えつつ、突き進むことに。時計の平均ペースは3:51。このペースで後半も走れるのか…

 

10km〜20km 楽にならない中盤へ

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前半はソルトアリーナ付近を変則的に2周するのが防府読売のコースの特徴。その2周目になります。

10キロで切り替える人も多いようで、このスピードゾーンでもグループ再編成が始まった様子。あまりに遅いグループだと後がキツくなりますが、速すぎるグループにつけば後で地獄を見る…。慎重かつ大胆に判断したいところ。12キロあたりで去年を思い出しつつ前グループを追いました。去年よりはタコちゃんの背中を追ったんだよなぁ。今年は自分でペース作り。

14キロ給水でもジェル。オレンジ味。ポケットのどこにオレンジを入れたのか忘れてやや混乱。小さな反省点。

15キロ地点での5キロラップは時計で19:14だった模様。

それにしても楽な区間が来ません。なんというかフォームがカチっと決まらず、常に修正している感じ。付け焼き刃でどこまでいけるか。

17キロで再びスタート地点に戻ってきます。防府は3回目ですが、方向がもうよくわからない…。給水。ジェルはスルーしてmiuだけ。

ここからいよいよ南部工業地帯を脱して、本格的な防府読売マラソンが始まります。

この辺りでペースの合うランナーさんを捕まえ、並走に。ともに集団についたり、前を追ったりして、楽をさせてもらいます。やや向こうが速く、追う展開なのがちょうど助かりました。

しかし、レース巧者なそのランナーさん、左に大きくカーブしていく18-19キロで引き離され、私は前グループにつけず、向かいの風を受けてのランに。

苦しい中、各都道府県の応援幟に岡山県を見つけ、気を紛らわせます。今年もありがとうございます。47本の幟に47人のボランティアスタッフ。行きも帰りも長時間にわたる応援。力になってます。

向かい風の先に大きなグループが見えます。あれが2:45を目指す集団かな。そんなことを考えますが2〜300メートルはあるでしょうか。追えません。4回ある坂超えの1つ目、三田尻大橋交差点へ港大橋を上ります。去年はここてタコちゃんに追いついたんだけどな。

下ると20km。

グロスで1:17:51。

プランCに9秒のアドバンテージ。

時計では平均ペース3:51のまま。キロ3秒ずつ20キロ=1分貯金。残りを3:57でもプランB Cは確保。そんな計算をします。

これは貯金なのか後の借金になってしまうのか。楽にならないまま、中間点へ。

 

20〜30km 中間疾走

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コースは防府市中心部へ。

しかし、強風ではないにしても向かい風。グループ後方につけることができず、体力を削られる展開。その後捕まえたグループで粘ろうとしますが、今度はややグループが遅い。痺れを切らして前に出ようとすると、ほぼ同時に別のランナーが出て追随。助かった。2人で前を追い、中間点を前にして先に追随していたランナーさんについに追いつき後ろにつきます。しかし、追いついたというよりそのランナーさんが失速気味なので、前に出ることに。前を譲られただけかも…。

中間点1:22:12。いい調子に見えて、突っ込みすぎではないかという不安が消せないキツさ。

22km給水でジェル。ぶどう味。miu。

街中になり応援がグッと増えます。和太鼓やなにか歌謡など毎年の声援がうれしい区間。駅前は特に大勢の皆さんが声かけしてくださいます。

それなのに足が重い。フォーム修正だと言い聞かせて直すんですが、集中できません。グループにつけられないままのラン。

25km地点までの5キロラップ、19:35(時計で19:32)ついに目標ペース19:30を割り込む流れ。平均ペースもついに3:52。プランCへの貯金を潰しました。

ここでコースは南方向へ左折。植松跨線橋。二つ目のアップダウン。中継車や審判車両が反対車線に。トップグループです。川内は?

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来た!

先頭は川内優輝

思わず「かわうちーっ!!」と叫びます。

(中継映像にもしっかり声が入ってました。たぶん私)

来てほしい人が先頭で来ている。力をもらい、跨線橋を下ります。風も追い風気味になり、やや加速。

ここからが長く感じます。コースは把握していたので頭の中にだいたいの場所は思い描きつつ、給水でジェルを取れば少しは楽にならないか、など考えます。

その27キロ給水。アスリチューンのコーヒーチェリー味。ややシロップが少なく感じ、呼吸を妨げるために美味しく楽しめません。キツいとアスリチューンすら取るのが大変なのか。

徐々にキツさで記憶が曖昧になっていますが、周囲にランナーの少ない中で折り返しを迎えたと思います。29.5キロ。

折り返した時、去年ほどの向かい風は感じません。去年は強風の中3:58で走れたことでメンタル復活でしたが、今年はそれでは失速です。ここからソルトアリーナまで足が持つのか?ほんとに今年は弱気で進行しました。

この5キロは19:31。時計では19:18ですが距離ロスが大きかった模様。体力を無駄に使います。

30km地点。1:56:57。グロスでほぼプランC。

しかし、ベクトルは下降気味。頭の中は貯金をどのペースで使い潰すのか、になっていました。

 

30〜37.2km  マラソンに必要なもの

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大丈夫だ。貯金がある。

1キロにつき2秒。残り12キロ、3:59でもサブ10000は取れる。46分台だぜ。十分すげーよ、無理するな。

そんな心の声の中で北上しました。植松跨線橋を越えて右折すれば、追い風になって楽になる。そこまで粘ればいい。

とにかく弱気です。

るーさんとすれ違います。声をかけていただいたようなのに、返す余裕なし。

そしてはるか前方だった大集団が徐々にばらけ始めるのを見ます。拾って加速だ、とはなりません。むしろ、あんなすごいランナーが脱落していくんだから、次は自分かな、と。

リタイアするエリートゼッケンも目の当たりにしてさらに弱気に。平均ペース3:52を3:51にもどす気力もありません。ただフォームを直します。

32.33キロラップが3:57-56。意識しても上がらないラップにいよいよ下降局面かと覚悟。道マラの失速が頭をよぎり、やはり練習内容が悪かったかと反省まで。

どうにか落ちてくるランナーを拾っては休み拾っては休みを繰り返し、植松跨線橋の復路を越えます。右折。

追い風に乗って…のはずが、さほど上がらないラップ。意識的に上げたのに3:53。むしろ加速でキツくなる情けなさ。やはり3:58まで落とし、無理なくサブ10000しよう。拾ったランナーを追随すればいい。ラスト給水を取りジェルを流し込みつつ、そんな弱気に。

その時、すれ違うランナーから「tazzoさん!」の声。ハッチさんだ!少し向き直り、手を挙げることしかできません

しかし、赤穂線ランの時の熱い思いが蘇ります。50キロ地点で苦しい時に差し入れされたこと。

「マラソンには応援が必要だろ?」

…あと少しでも粘らねば。

その先はわからないが、あと少し押していこう。キツい波の後は楽な波が来る。自分の可能性を微塵も疑うな。

減速戦略は却下。ペースこそさらに落ちますが3:56で食い止めます。ここより先、これ以上にペースは落ちませんでした。ええ、これが応援の力。ただ一回、名前を呼んでもらえることのもたらす凄まじいパワーです。

なお、この辺りでゆかさんからも声かけいただきました。ありがとうございました。

35km地点での5kラップ19:46。時計でも19:36。タイム的には1番悪く、崩れかけた35キロでしたが、メンタルは持ち直していました。

そして、もう一つ嬉しい応援が。

去年、同じあたりで私を指差し

「腕が振れてないよ!腕振って!」

と個人指定の具体的なアドバイスをくださった方がいらしたんです。そこで腕が振れてないことに気づいてしっかりした腕振り再開、ラストスパートができたんですね。

きっと同じ方でしょう。私を指さして

「フォアフットできてるね!軽やかだねぇ」

と。褒められた!

時速15.5キロ(私の場合)で通過するランナーたちをつぶさに観察して、適切な声かけしてくださる。しかも、接地点まで見てくださっている…。そして、まだ走れてるらしいぞ。粘れ。

防府駅前に来てやや追い風に。少し戻します。そして南下方向に右折。完全に追い風。集団はもう不要です。

残り5キロ おっさんの底力を

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右折してすぐに「残り5km」看板。

時計を見ます。スプリットタイム

2:25:0-

もう細かくは見えていませんが、残り20分で5キロ走りきればグロスサブ45。キロ4でスレスレ。もし3:54で走り切れば距離ロス含めて間に合う。

「もう一本19:30の5キロ走,したろうやないかい」

頭の中で唱えました。明確にサブ45を意識したのはここがはじめて。

褒めていただいたフォーム、さらにピシッと修正します。骨盤の位置はここだ、接地はここ、腕の引く位置、胸の張り具合、膝の上げ具合、できるぞ。

右足ふくらはぎが攣りかけていました。足が流れるのは承知で接地時のヒール押しつけを深めてストレッチをかけます。あと5キロだけもってくれ。

この辺りで颯爽と抜いていく800番台の若い選手がいました。チャンス!追随します。あっという間に引き離されますが、ペースメイクにはありがたい。38,39キロラップが3:47-44と息を吹き返す走りに。

三田尻大橋交差点を必死で上ります。戦略的にか歩くランナーもいますが、攻めます。

40キロ目ラップ3:53(時計=距離ロス込み)

最後の難関を越えました。ほどなくして計測マットが見えます。(時計とのズレがすでに300メートルほど)

40キロ地点2:36:12。プランCにグロス12秒遅れ。いや、まだ間に合う。まだだ、まだ終わらんよ!again

サブ3.5やサブ3の時の「…もらった」感はありません。キロ3分台を維持しないと達成不可能。右足は攣り気味。余裕など皆無。

それでもあとはソルトアリーナへダッシュのみ。とにかく必死で前を追います。もう目を開けるのもつらい。視覚情報をシャットアウトして糖の消費を抑えないといけないほどの枯渇状態か。

苦しさを吹き飛ばそうと、残り1キロで脳内BGMを再生。富士登山競走あたりからの追い込み定番曲、ゼノブレイド3より「ChainAttack」。自分のとっておきパワーソングを持っておくとカンフル剤として効きますね。

41,42キロ目3:51-48。

アリーナが遠くにぼんやり見えてきます。この時です。目をあまり開けられてなくて気づかなかったんですが、しょうたさんを交わしていました。そうです。サブ45、ヴェイパーの使い方次第、並走というヒントと勇気、励ましをくれたしょうたさんと並べた、のに気づかずにスルー…なぜだ…涙。こんな奇跡、もうないぞ。しょうたさんはおかやまでPB出したばかりだし、他のレースにもたくさん出ていらっしゃいますから疲労などありますよね。

時計もよく見えていませんから、とにかく必死で陸上競技場へ。競技場入り口に時計があります。

「2:42:--」

最低でもあと2分ある。トラックは400メートル。これはいったか?

周りのランナーも死に物狂いなのが伝わってきます。その中を食らいついて可能な限り加速。ラストラップは600メートルながら3:32。これがVFN%2の力か。

コーナーを曲がり終えて呼吸ができない。もう限界。牛コスプレサブ3.5を上回ろうかという苦しさの中、計測マットを踏みます。

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2:44:36(ネット2:44:27)

切った。10000秒切った。そしてプランCにあったとはいえ、やってしまった、サブ45。

時計を止め、コースに一礼、の儀。

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口に手を当てているのが私です。感極まって嗚咽を堪えて…るんじゃなくて、ラストスパートがキツすぎて吐きそうになってます…すみません。青タータンに吐いてはいけない、どこに吐く?!という真っ只中。はい、胃の中は空っぽだから何も出ませんでした…。助かった。

写真からわかる通り、フィニッシュした選手がもんどり打って倒れたり、ゴール手前で足が攣り転倒する選手も。45分を巡る死闘。やはりみなさん、ギリギリ限界を狙ってくるんですね。走り込んでくるランナーたちに声をかけながら陸上競技場をあとにします。

体育館に戻る途中、段差で足を攣り、車イスで道を渡らせてもらいました。ご迷惑をおかけし申し訳ないと伝えます。オッサンの遊びのために本当にごめんなさい、と。理学療法士さん、遊びじゃない、すごいですよ、と褒めてくださいました。ありがとうございました。

糖とプロテイン摂って一息。応援に回りたいと思ってましたが、その力はなかったです…。

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帰路では、サブ10000できたら聴く予定だったLife will changeを流しながら。

"Can't move fast without breaking
Can't hold on or life won't change


Now we know that life will change"

うん、いい歌詞。

また聴くぞ。

まとめ

こんな弱気のランになるとは思いませんでした。

去年はサブ3達成した後で気楽に臨み、たこちゃん追随でランも気軽。肩の力を抜いて楽しめました。

一方で今回は真逆。サブエガランナーとしてグランドスラムも達成、走れば目標クリアして当たり前という中で道マラ撃沈。もう失敗はできないぞという自分で上げたハードルとプレッシャーで押しつぶされそうになっていたように思います。

走った距離もトレーニングの質も数段上げてのレースでしたから走れるはずだという気持ちと、練習内容のミスマッチなど走れないのではないかという不安が拮抗。守りに入ったメンタルとの戦いでした。

走っていても序盤の威勢の良さが裏目に出て、失速ばかり気にする流れ。爽快なレースを展開した感触ではないです。

その不安を払拭してくれたのは、去年のしょうたさんからのコメントやレース中のハッチさんはじめの声援など、周りからの応援でした。

キツい時、気持ちを強く持てたのは声をかけてもらえたからこそ。人にとって大切なことをまた改めて学べました。

受け取ってばかりの私ですが、どこかで誰かの役に立てたらいいですね。

謝辞

今回もチームには本当に支えられました。

るーさんとはレース、ロングを通じて切磋琢磨させてもらいました。机上理論の雑談レクチャーことぶきちゃんこと大久保先生にはVFN%2でのフォーム、トレーニングのアドバイスをいただきました。戦友Reiさんとは毎度ながらLSDの抑え役、ペーサーとして細かいペース調整、コーチングを通じての自分の観察など1人ではできない練習をサポートしてもらいました。千両役者ハッチさんにはいつも「ここぞ」というところで熱い応援。ありがとうございました。主人公は必ず最高のタイミングで登場しますね。

shibakiリーダーと番長、taromiからのほのぼのとした応援が肩の力を抜いてくれてます。ありがとうございます。

そして、TWAのしょうたさん。

去年、あのメッセージをくださってなかったら、このチャレンジも達成もなかったかもしれません。少なくとも45分切りなんてこれっぽっちも考えてませんでしたからね。私の天井を取り払ってくださりありがとうございました。

去年に続き、若いみなさんに励まされ支えられてのマラソン。ほんとうに幸せなことだと思います。改めて感謝です。

 

別大の目標は、すでに宣言した通り

サブスリー万歩=30000歩未満でのフルマラソン完走に変更です。

達成は不可能に近いですが、チャレンジしなけりゃ可能性はゼロ。待ってろ、別大!

 

おまけ

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EPSON Watchの全ラップ。

右端は5キロラップ

その隣は、その地点までの平均ラップ

=その時、時計で見ていた平均ラップ

アップダウンは相殺され、

風はラップを落とすことが明確。

距離ロスを考えると、サブ45は19:20でなく、19:15あたりでの巡航が求められるのか。

 

自己満足コーナー

今回の達成

自己ベスト=SB=コースベスト

サブ10000秒

サブ45

真・グランドスラムアップデート

車中泊・真グランドスラム

エイジシュート(47歳)

初マラソンのタイム半減(5:29→2:44)

 

陸連公認

1マイル、15km、20km、ハーフ、25km、30km

→全てPB。他のレース走ってないから笑